おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

COM戦ロジック観察 Vol.3

 第3回は「スーパーファイヤープロレスリングIII ファイナルバウト」

 ついに最終作を迎えることとなったファイプロ。3作目にして、その完成度は当時最高のものでした。
 ファン待望のエディットモード搭載!ついにプレイヤー自身が新たなレスラーを作れるようになったのです!レスラー数も大幅増加、新技多数追加、CPUレベルはムダに1〜16まで選択可能に。

 最終作にしてついに登場した富樫(モデルは小橋)……ようやく三沢vs小橋が楽しめるわけです。

アニメタッチはやや抑え目になり、劇画寄りに  フェースロック(ゲーム内表記の技名に準拠)を必殺技とする氷川光秀、対するはムーンサルトプレスで華麗に宙を舞う富樫慶次。結末はいかに……


 注目の1戦、今ゴング!(CPUレベル8)

 序盤は静かな立ち上がり。ボディスラムでじっくり痛めつける富樫に対し、氷川は「オエッ!」の掛け声よろしくエルボーでジワジワと攻める。

 開始1分、三沢が攻勢に転じた。連続の旋回式バックドロップから必殺のフェースロック!倒す→フェースロックの無限ループがはじまった。富樫は逆水平でなんとかペースを掴もうとするが、氷川の執拗なフェースロックに、早くも頭上に星が回りはじめた。

 そして開始2分経とうかという時間帯に、ついに氷川のローリングエルボーが富樫のアゴにクリーンヒット。すかさずカバー……3カウント!


氷川光秀○(1分59秒 体固め)●富樫慶次


 ヘッドロック後やハンマースロー後の衝突で、序盤からダブルノックダウン状態になってしまうのはいただけない。試合展開も前回のファイプロ2と大差のない、短期決戦に終わっちゃいました。

 ロジックは細かく設定出来るのですが、スタミナや技ダメージ関連が洗練されてないのかな……という感じ。実際のプロレスの試合展開とはまったく比較対照になりませんでした。とはいえ、発売当時は最強のプロレスゲームであり、プロレスファンを熱狂させたホントに素晴らしいソフトでした。

 この時点ではまだ雪崩式といった概念も取り入れられてなく、今後のプロレスゲームでの実現を夢見つつ……ファイプロは惜しまれつつも幕を下ろしました。


 しかし、ファイプロは引退したレスラーよろしく、ファンの前に舞い戻ることになります。さらなる進化を遂げて……。