おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

知ってるか?エースは3つに分けられる。あいつは――

 恐らくPS2最終作であろう。フライトシューティングの頂点を極めたエースコンバットシリーズの最新作がついにロールアウトされた。


自然と戦闘機の調和
CGは限界を極め、もはや感動すら覚える


 タイトルは「ACECOMBAT ZERO THE BELKAN WAR」。  実のところ、私は前作にあたるエースコンバット5を素直に楽しめなかった。理由は色々とあるのだが、一言で言うなら「大空を自由に翔けている筈なのに、見えないレールの存在を感じた」ことだろうか。完璧に構築された無線通信。それが仇となってしまっていた印象がある。

 その点新作は、私が眉をひそめたこの無線通信が大幅に強化されている。戦況に合わせ、フレキシブルに変化するのだ!しかもそれは1キャンペーン内での細かいものから、積み重なった戦績に合わせて変化するものまで多種多彩。音声も日本語と英語から選択出来(当然英語でしょう!)、勿論日本語字幕を表示することが可能だ。

 さらには、無線強化に伴う戦場感の大幅な向上。プレイヤーがエースとして褒め殺される敵味方の入り乱れる会話。BGMからSEまで、全く隙の無い完成度。そして、前作から受け継がれたワイド画面対応!ついに4を超えるエースコンバットに出会えた!というのがファーストインプレッションだ。


 プレイヤーである「円卓の鬼神」を取り巻くパイロットへのインタビューで、戦争のディテールやプレイヤーの細部が少しずつ明らかになっていく演出も最高の手法。撃墜した敵エースパイロット(プレイヤーのエーススタイルにより登場する敵も変化)の顛末を知ることが出来る機能まで搭載されており、より深くこの戦争に携わった者の一人として世界観に入り込めるだろう。

 1作目からプレイしているこのシリーズ。毎回期待を裏切ることなく進化を続けてきたが、今作はシリーズでも屈指の完成度を誇るのではなかろうか?シリーズ中一番好きなエースコンバット2を感じさせてくれ、その点も私の評価を上げている一因か。

 フライトシューティング未経験者も、空に興味があるならば是非体験してもらいたい珠玉のタイトルだ。

 namcoはまだ死んじゃいない!