おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

どちらが先か

 この技はこっちのレスラーが先に使ってた!そんな論争をした経験、プロレスファンの方ならきっとあるだろう。それが例え実在レスラーと漫画の比較であっても。

 さて。

 キン肉マンの劇中で描かれた技「キン肉バスター」。まさにキン肉マンという作品の代名詞と言えるだろう。しかし、実は漫画より先にサムソン冬木(故冬木弘道)が「サムソンストライカー」として開発していたのは有名な話だ。

 実際に試合で繰り出そうとしたのだが、落とす途中で対戦相手がロープを掴んでしまった為(どう落とされるのか分からず怖かったという説がある)完全な形で決めることが出来ぬまま、しばらく封印してしまった。そして、奇しくもサムソンストライカー封印期間中にキン肉マンが先にやってしまったというわけである。

 ちなみにキン肉バスターとサムソンストライカーはよく同一視されるが、実は似て非なる技だ。前者はマテマティカの体勢のまま尻餅をついて各関節にダメージを加える技、後者はマテマティカの体勢からフィッシャーマンバスターの要領で頭部から落としダメージを与える技だ。

 とはいえ近年キン肉バスターの使い手第一人者であるモハメド・ヨネが繰り出すものも、サムソンストライカーになってしまっているのが現状だ。最近では、唯一丸藤とのシングル戦で完璧な形のキン肉バスターを見事に決めてみせた(思わず声をあげたシーンだった)。危険度が高いだけに、受け手を限定してしまうのだろう。


 前置きが長くなってしまったけど、今日書きたいのは、この技はどっちが先か…ということだ。


 これは、今日偶々古本屋さんで見つけた漫画「マッスルリターンズ/ゆでたまご」(100円でした)の1シーンである。インディまで楽しまれているプロレスファンなら一目瞭然だろうが、この技は紛れもなく男色ディーノ(DDT)のフィニッシュホールドのひとつ「男色ドライバーII」ではないか!

 この本の初版が97年7月。男色ディーノのデビューが02年4月。しかしディーノは学生プロレス時代からこの技を「パンツドライバー」の名で使用していた!

 これはどっちが先なのか…!