おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

第3の男 - Part 1

 ぶいちゅりっ

 それはさておき、私は格闘ゲームが好きなんです。特に強いってわけでもないし大会とかに出たこともないんですが、格闘ゲームって面白いんですよね。元々格闘技に興味があるから尚更かもしれません。

 これまで色々な格闘ゲームをプレイしてきましたが、特に2Dと3Dどっちが好きって選り好みすることなく、どちらも楽しんでます。鉄拳やソウルキャリバーは大好きだし、ストリートファイター�Vや侍魂シリーズも好み。
 しかしそんなメジャーな格闘ゲームではなく、キャラゲーでありつつも…ある意味非常に高い完成度を持っているソフトがあるんです。細部まで丁寧なこだわりに定評がある開発チームKAZeが手掛けた他の追随を許さないキャラゲー……

仮面ライダーV3(Play Station)  技の1号力の2号……双方の能力を兼ね備えた驚異の力を持つライダー3号、その名はV3!

 ハリボテ感たっぷりのスーパーバイク「ハリケーン」を駆り、その明らかに大きすぎる頭部を気にも留めることなく、大爆発の硝煙を掻き分けビッグジャンプ……そこで動画は一時停止し、デカデカとタイトルが掲げられつつ、勢い余ったブラスバンドのハズレ気味な音が響き渡り、興奮はクライマックス。
 オープニングは懐かしいTVのそれをCGで再現したものだ。当時のものより火薬量が多い気がしないでもないが、完成度は非常に高い。

 対戦格闘としての出来はというと、バランスに目を瞑りさえすれば非常に楽しめるものに仕上がっている。今回はシステムについて触れてみよう。

 
 □でパンチ、×でキック、R1はガード(方向キー下入れで下段ガード)。ガードボタンを押しながら攻撃すればそれぞれ強パンチ強キックだ。○で変身、変身後はスペシャル技ボタンとなる。□と×同時押し、もしくは△で相手を掴む。

 この掴みシステムはかなりのオリジナリティがあり、掴んでからの攻防が熱い。ジャンケン式に相手とボタンを押しあい、同じボタンを押してしまったら攻守交替。掴んでから合計4回の打撃を当てるか掴みを自ら解除するか、それとも途中で投げを決めることが出来れば掴みの攻防は終わる。

 この攻防時の攻撃は「殺陣」と呼ばれ、使用キャラにより多彩な攻撃を楽しむことが出来る。さらに各キャラには専用の殺陣連携が用意されており、最後まで成功すれば派手な演出と共に大ダメージを与えることが可能だ。


 方向キー上下で画面手前と奥にダイレクトに軸移動が出来るため、敵の飛び道具をすかしたり雰囲気を出したりするのに重宝する。しゃがみ動作は方向キー下と掴みボタン同時押しで行い、その際に下ではなく斜め下にキーを入れることでしゃがみ歩きすることも可能だ。しゃがみ動作は相手の上段攻撃をすかせるので、マスターすれば絶好のチャンスを掴むことが出来るだろう。
 逆に掴みボタンと方向キー上でジャンプ、斜め上とキーで斜めジャンプが可能。これは下段攻撃をかわすことが出来るので、相手の下段を見切った時に使用し、プレッシャーを与えてやろう。

 方向キー後ろと掴みボタン同時押しで相手の攻撃を受け流すことが出来る。中には受け流せない技も存在する為、敵の研究は必須だ。とはいえ通常攻撃はほぼ受け流し可能なので、チクチクと攻めてくる相手の攻撃を臆せず華麗に受け流してやれば、攻守は一気に逆転だ。

 攻撃の中には途中でそのモーションをキャンセルできるものが存在する。攻撃ヒット前にガードを押すことで行うことが出来るこのテクニックは、例えこちらの技を知り尽くした相手にでもフェイントをかけることが出来るため、心理的に非常に有効だ。キャンセル可能技を覚え、相手を混乱させてやるのだ。


 おおまかに説明したが、一般にキャラゲーと呼ばれるであろうこのゲームが如何に作りこまれているかが解っていただけただろうか。キャラの魅力を活かし、イメージを損なうことなく格闘ゲームに落とし込んだKAZeの手腕には脱帽だ。


Part 2につづく