おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

リターンズエディット 過去の清算

 「駄目だと感じたら容赦なく叩き潰して欲しい」
 潔い覚悟で永田戦を直訴したチョコボール向井

 新日に入門しつつも、夜逃げ同然に逃げ出してしまった過去との、清算の意味合いも含んでいたに違いない。自主興行も成功を収め、レスラーとしての自信も少しずつ芽生えていたことだろう。


 対する永田裕志は向井の真摯な気持ちを受け止め、対戦を快諾。
 メジャーvsインディの枠を超えた異次元対決となった。


「ブルージャスティス」 永田裕志混乱を極める新日で、トップレスラーの座を死守する男。
俺の心は透き通った青――
新たなニックネームの許、静かに激しく闘志を燃やす。




「AV戦士」 チョコボール向井別の道では大成功を収めたチョコ。
しかし夢は捨て切れず、再度その茨の道に掻き入った。
プロレスに対する気持ちは真っ直ぐに…。






ゴングと同時に襲い掛かったのはチョコ。
エルボーで永田を攻め立てる。
しかし永田には全く通じず、強烈な蹴りの洗礼。
重いミドルが容赦なく叩き込まれる。
腕から胸にかけ、見る見る内出血が広がっていく。

スタンドで、ダウン状態で、コーナーダウンで…
あらゆる場面で蹴りが放たれた。




蹴りで試合を組み立てる永田。
ついにはエクスプロイダーまで繰り出した。
急角度で頭からリングに突き刺さる。

しかしチョコも意地を見せた。
カウント2でそれを返すと、ショルダータックルからニールキック!
しかし永田からダウンを奪うには至らない。
最後は新人をあしらうかのような逆エビ固め。
反り上がった体勢から抜けることは出来ず、無念のタップ。
僅か4分半で満身創痍となった。




うつ伏せのまま動けないチョコ。
永田は自らの力で立ち上がるよう促した。
なんとか立ち上がったチョコの目には光るものが。
永田から求めた握手。
ガッチリと握った手、流れる涙。永田の目も潤みを湛える。

チョコの真剣な想いが、永田の胸を打ったか。