おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

プロレス頭

日夜SVR2010にてオンライン対戦を嗜むオンラインプロレスラー達よ。

今日は初心に立ち返り、プロレス的な試合を成立させるあやふやな方程式を
いちから考察してみようではないか。

また、これからオンラインでプロレスに挑戦してみるぜ!な方も、
赤字だけでも目を通していただきたい。 上から目線で講釈を垂れるつもりは毛頭無し。
これはあくまで個人的見解であることを念頭に、読み進めるべし。


1.プロレスの入り口に立つ
 まず、実際のプロレスを見たことがある、というのが大前提となるだろう。
 要はあの技のやり取りをゲームでリアルタイムに再現する、という遊び方である。

 うまく流れを作れない方は、実際のレスラーを参考にするとよい。

 どの技からどの技に繋いでいるか。
 どのムーヴの後にどんなアピールを入れるのか。
 どの時間帯に、どんな技を出すのか。


 そういったことを気にしながらプロレスを見れば、
 そのレスラーの得意な一連の動きが見えてくる。
 さらに深く試合を見たならば、複数の連続ムーヴを出し合うことにより
 試合の流れを作っていることが解るだろう。

 そうしてムーヴの交換をし合い、
 クライマックスへと試合を組み立てていくのが、プロレスの基本的な流れなのだ。


2.技の交換を実践
 相手の技を受けてこそプロレス!
 しかしながら、言うは易し行なうは難し。

 最初は返し技を一切使わず、相手の技を受け切るところがスタートラインだ。
 まず相手の一連の動きを受けてみよう。

 受けきったところで、相手からバトンが渡される。
 その合図で反撃開始、次はこちらの一連の攻撃を加える。
 同程度痛めつけてやったら、今度はこちらから相手にバトンを渡す。


 この繰り返しで少しずつ激しさを増していき、試合を決める。

 初歩として、この流れを実践してみるだけでも
 ぐっとプロレスらしい試合として成立する筈。


3.バトンとは
 話が前後するが、バトンとは何を指すのか。
 ここでは代表的なものを挙げてみよう。

 自らロープに走る (カウンターください)
 相手が自由に動ける状態の時にコーナーに登る (落としてください)
 クラッチを切り替えるのみで技を繰り出さない (チェーンで返してください)
 ギブアップを奪える関節技を緩く仕掛ける (外してください)
 アルティメットコントロール技を仕掛ける (返してください)
 

 そう、ここでいうバトンとは攻守交替の合図の事だ。
 上記の5つを使い分ければ、とりあえず基本的な流れは作れるだろう。

 さらに自然な形で相手に主導権を渡したい場合は
 システムを利用した、ちょっとしたテクニックがある。
 やり方は以下のとおり。

 まずダウンした相手に、グラウンド掴み技を2回連続で仕掛ける
 その直後攻撃を仕掛けようとした際に、自動的に返し技が発動する


 これを応用し、

 ダウンした相手に、グラウンド掴み技を2回連続で仕掛け
 その後コーナーからダイビング技を出す


 この操作は、終盤にうまく活用出来れば非常に効果的なバトンとなる。
 常に流動する試合の中、バトンの繋ぎ目を如何に自然な形にするかが、腕の見せ所だ。


4.フィニッシュへの流れ
 試合を完成させるには、上記の流れを把握した上で技を交換していき
 最終的にはどちらかがフィニッシュする必要がある(両者リングアウト等の例外はあるが)。

 これは、はじめの内はどちらが勝つか決めておくというのもひとつの手段。
 そうすることにより、フィニッシュに至る流れを作るコツが見えてくる筈だ。
 ここでも当然ながら、実際のプロレスを参考にするのがいいだろう。

 勝者を決めずにやる場合は、相手との心理戦となる。
 中盤から終盤にかけて、試合がどう流れているのかを把握し、
 どう展開させるかを選択するプロレス頭が重要となるのだ。

 ここで勝利にこだわる必要は無い。
 流れが相手に傾いていると踏んだなら、
 如何に自分が負ける流れを作れるかに挑戦してみよう。
 綺麗にフィニッシュへの流れが出来、試合がバッチリ決まったなら
 敗者である貴方も勝者である。

 プロレスとは勝敗ではなく、リアルタイムで変化する流れの読みを競うものなのだ。


5.目線を変える
 大まかな概要は解っていただけただろうか。
 相手にやられた分より少し強めにやり返し、その繰り返しで試合を作る。
 イレギュラーな動作をはじめから取り入れる必要は無い。

 ひとつアドバイスをするならば

 観客を意識して試合を組み立てる

 これを実践していただきたい。

 ここまで攻撃したら、そろそろ観客は相手の攻撃が見たいだろう。
 この流れのフィニッシュで、観客は満足するだろうか。
 同じ技を使いすぎたら、観客は飽きてしまうだろう。


 この目線で試合をすれば、
 自ずと「しょっぱい試合・しょっぱくない試合」の条件が見えてくる筈。


6.引き出しを準備する
 引き出しの数を多く用意しておくことも、プロレスでは重要な要素。
 解りやすく言えば、一連の攻撃ムーヴを多数構築しておく、ということ。
 そうしておくことにより、相手の攻撃の流れに併せて臨機応変に反撃が出来るのだ。

 ひとつ重要なことを書いておくと、

 準備したムーヴを、一試合で出し切る必要は無い

 ということ。
 いろんな動きを披露したい欲求が強まる気持ちは解るが、
 そこをグッと堪え、流れに沿ったムーヴを選択していくのだ。 
 具体的には、序盤・中盤・終盤にそれぞれ3つから4つのムーヴを用意出来れば必要十分。
 あとは流れに併せ、プロレス頭をフル稼働させて組み立てていけばいい。

 無論、引き出しの数は多いに越したことは無い。
 実際のプロレスでも、引き出しの多いプロレスラーほど試合展開が巧いものである。

 余談だが、こうした引き出し以外に閃きで動くレスラーを、(プロレスの)天才と称する。
 或いは武藤、或いは丸藤。
 勘違いしてはいけないのは、彼らは多数の引き出しがあるのを前提としていることだ。

 さて、ここまで理解した時点で、難易度EASYかNORMALのCPUを相手に
 シングルマッチをプレイしてみよう。
 CPUとの試合でも、しっかりとした展開を組み立てることが出来ればしめたもの。

 プロレスラーは、例え椅子が相手でもプロレスを成立させることが出来るのである。


7.最後に
 長々と書き連ねたが、今回の考察はあくまで初歩的なもの。

 対戦相手に慣れてきたなら、あえて流れを遮る返し技を使ってもいいし
 いきなりダッシュ攻撃や大技で奇襲を仕掛けるというのも実にプロレス的。

 相手がヘッドバットで挑発してきたなら、こちらもヘッドバットで返す……
 そういった同じ技での意地の張り合いも、試合を盛り上げる要素となるだろう。

 陳腐な言い回しだが、プロレスは対戦相手との共同作業。
 一方的な押し付けではなく、ひとつの作品を作るつもりで試合に臨むのだ。

 能書きは終わり!さあ、オンラインで試合をしよう。
 まだまだ書き残したことは多いが、最終的には習うより慣れろ
 対戦相手のうまいムーヴはどんどん盗むべし!




 
 最後まで読んでいただき感謝感謝。
 なんだかハードルが高いんじゃないの……と思った方、何も心配することは無い。
 他ならぬこの私も、未だしょっぱい試合製造機なのだ。