おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

緑の平原に稲妻を見た

田中マルクス闘莉王というサッカー選手をご存知だろうか。

「プロレス?馬場と猪木なら知ってるよ」
ことサッカーに関しては、その程度の知識しか持ち合わせていない私であるが
ここ数日よく見かけるこの風変わりな名前に、卑しい野次馬根性がにょきっと顔を出してしまったのである。 話題となっているのは、どうやら先日行われた日本対コートジボワール
親善試合中に起こったアクシデントのことが中心のようだ。
なんでも田中選手が相手チームのエースと激突、右腕尺骨骨折の怪我を負わせてしまったとのこと。
この相手チームのエースというのが、世界的に人気沸騰中の選手らしく
そういった背景も騒ぎを大きくしているのであろう。

右腕尺骨骨折……と言えばいつかの府立、伝説の三冠戦。
あの時の川田は全治3ヶ月だったなぁ ― などと無駄な回想に浸りつつ、
さらなる情報を収集してみることにした。

Wikipediaにて田中選手の大まかな概観を知り(闘莉王トゥーリオと読むのか)、
スポーツナビ等のスポーツ速報サイトでアクシデントの様子を確認。
なるほど、田中選手がジャンプしてボールを奪おうとしたところ
相手チームのドログバ選手と激突、脚が腕を直撃してしまったということか。

しかしながら、どのサイトも静止画しか見ることが出来ず、私の好奇心は更に加速していく。
―― 動画で確認してみたい。
そんなときは、迷わずいけよ「You Tube」。

はたして、その動画はすぐに見つかった。
恐ろしい時代だ。


当時公開されていた動画が消滅した為、別の動画に差し替え。問題があれば削除しますので、ご連絡を



この動画を見る限り、故意なのか事故なのかは判断の難しいところだ。
しかし、見るべきはそれだけでは無かったのである。

賢明な諸兄姉なら、お解かりいただけたであろうか。
そうである、これは紛れもなく「稲妻レッグラリアート」である。
ヒット後の田中選手の身体の流れ具合まで、
鏡写しながら健吾のそれをトレースしたかのように同じ軌道を描いているのだ。

だが君、なんら不思議に思うことはない。
木村健吾がこの技を使い始めた当初、受け手側は鎖骨骨折の重傷を負った選手をはじめ
複数の怪我人を出していたという。
「俺にはそんな技使うなよ」
猪木を以ってそう言わしめた危険技、稲妻レッグラリアート
不幸にもこの技と同型で相手選手にぶつかってしまっては、
尺骨骨折も仕方がない……と、納得せざるを得ないのである。

その威力に気づいた健吾は稲妻サポーターを装着し、衝撃を緩和。
また、当たりををあえて浅くし、3カウントを取ることの出来る最低限のダメージに抑えることにより
安全と勝利の両立を実践していたのではなかろうか。



全く関連性のなさそうなサッカーから、プロレスを考察し、学ぶ。
興味のないジャンルにも様々な材料が転がっているのだと再認識した、気だるい午後であった。



え?対藤波戦では稲妻サポーターに鉄の棒を仕込んでいた?

……イナヅマッ!