おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

Mortal Kombat インプレッション

刮目せよ!
次回のDeal of the Weekは、なんとドラキュラスペシャルである!
ドラキュラHDの追加ステージを買いそびれていた君も、
これからはじめてみようかと考えている君も、この機会を逃すことなかれ!


Xbox LIVE Arcade
 悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair 1200MSP → 600MSP
 悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲 800MSP → 400MSP

悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair DLC
 7章:美貌と欲望と絶望と 400MSP → 200MSP
 8章:蝿の王 320MSP → 160MSP
 9章:多くにして、一つなるもの 320MSP → 160MSP
 10章:全ての始まり 240MSP → 120MSP
 11章:月風魔伝 240MSP → 120MSP

期間 : 5 月 4 日 (水) 午前 1 : 00 頃 – 5 月 11 日 (水) 午前 1 : 00 頃


追加ステージの詳細は、以前書き流した記事が多少参考になるかも知れぬ。

我がブログスタッフもこのセール告知に扇動され、
久しぶりに起動し10章に挑んでみたのであるが(未だレジェンドブーツがドロップせず)、
その腕は予想以上に鈍っており、なんとかボス部屋に辿りつけはしたものの伯爵の前に敢え無く憤死した。

我がリヒターは断末魔をあげて討ち死にしたが、本作の面白さはしっかり再確認。
その内マルチにも復帰しようと決意したのであった。



さて。



待ち望んだ殺戮の宴は、そこに存在したのか。

今回は、シリーズ最新作「Mortal Kombat」を数日間触ってみての雑感を書き散らしてみることにした。
簡単な解説を交えての長文となってしまったが、適当に読み流していただければ幸いである。

また、参考映像として埋め込んだIGNの動画はゴア表現が多分に含まれている為、
その手の映像が苦手な君は再生ボタンをクリックせぬ様注意せよ。

Mortal Kombatシリーズの経緯
 Mortal Kombat 4より実写取り込みを捨て3Dポリゴン格闘となり、ゲーム性も大きく変貌した本シリーズ。
 そのシステムは「Deadly Alliance」「Deception」「Armageddon」とシリーズを重ねるにつれ、
 複雑かつ歪なものへと進化し続けていた。

 そうして迎えたHD機による期待のデビュー作は、なんとDCコミックスのキャラクタが参戦するというまさかのサプライズ。
 レーティングがT(13歳以上推奨)となった時点で暗雲立ち込めていたのであるが、
 蓋を開けてみれば案の定、日和ったFATALITYに塗れてしまっていたのであった。

 「Mortal Kombat vs. DC Universe」はセールス的には成功を収めたらしいものの、
 反面モータリアンは失意に打ちひしがれ、真のMortal Kombat制作の発表を心待ちにしていた……が、
 そこに追い討ちを掛けるかのように、発売元であったMidway Gamesが倒産という最悪の事態となってしまう。
 
 最早シリーズの幕は閉じられてしまったのか ――
 ガックリと項垂れるモータリアンに、奇跡とも呼べる朗報が舞い込んだ。
 なんと、Ed Boon率いるMK開発チームがWarner Bros.の元でNetherRealm Studiosとして復活を遂げたのである!
 パブリッシャーが変わったことにより主に内容面が不安視されたものの、昨年のE3にてそういった雑音を見事一掃。
 インゲームトレイラーひとつで、ファンの不安を期待へと完全に塗り替えてしまったのだ。

 そして先日、待望の「真なるMortal Kombat」が世に放たれたというわけなのである。


▼シンプルに削ぎ落とされた戦闘メカニズム 
 4より培った3D格闘のシステムのほとんどを潔く捨て、横軸移動のない純粋な2D格闘へと回帰した本作。
 初期の作品を今風にリメイクした、という言い回しが最もしっくりとくる仕上がりとなっている。

 本作ではシリーズ初期作の攻防システムに加え、特殊行動用の蓄積型ゲージ「スーパーメーター」が追加された。
 このスーパーメーターを消費し、どんなことが出来るようになったか簡単に書き出してみよう。

 メーター1/3を消費して強化必殺技を繰り出す「エンハンストムーヴ」
 メーター2/3を消費して敵のコンボを強引に止める「ブレイカー」
 メーターをフルに消費して繰り出す「XRAY」


 これらの効果を把握し適所にて使用することにより、
 大味に見えつつもより奥の深いフェイタルな駆け引きを楽しむことが出来るのだ。

 3D時代に組み込まれていったブレイカー等が新作に受け継がれた反面、
 構えチェンジやエリアルコンボといった複雑なシステムをバッサリと切り捨てたのは英断。
 4で原点に立ち返った「ストリートファイター」に近い進化、と言えば解り易かろう。
 更に言うならば、スト4同様に「かつて初期作を遊んでいた客層」を呼び戻す力が、本作にはあるのだ!

 さて、このようにシンプルな方向へと進んだ反面、戦略をより複雑化させるモードも本作には用意されている。
 な……なんと、以前より構想のみが一人歩きしていたタッグバトルが、ついに実装されたのである!*1
 このモードでは使用キャラクタを二人選択し、リアルタイムに交代しつつ戦うことが出来るのだ。
 また、メーターを消費して待機キャラクタにアシスト攻撃を繰り出させたり、
 攻撃を繰り出させつつ交代することが出来たりする為、タッグならではのコンボ開発に熱が入ることであろう。

 しかし残念ながら、本作では過去の構想にあったタッグFATALITYは実装されていない。
 とはいえそれは望みが過ぎると言うものであろう……今回はNoobのデフォルトFATALITYで我慢するべし。


スコーピオン&サブ・ゼロ vs. セクター&サイラックス」の様子。
いつでもタッチ可能な上、スーパーメーターを活用することにより強力な連携攻撃が期待出来る




▼面目躍如、FATALITY
 レーティングMATUREとなって復活を果たした「Mortal Kombat」におけるFATALITYは、
 モータリアンの期待を裏切らぬ眼福映像の雨霰。
 STAGE FATALITYは勿論、なんとBABALITYをも復活させるという力の入れ様に、思わず涙が滲む。*2

 さて本作には、前述のとおり「XRAY」が追加されているのだが、
 これがまたFATALITYに匹敵する感涙ものの演出で殺戮の宴を彩る。
 その演出は読んで字の如し……強烈な打撃と共にダメージ部位が透視された状態で表示され、
 砕ける骨や潰れる内臓を「これでもか!」と拘りの映像で見せ付けてくれるのだ。

 定型格ゲーでいうところのスーパーコンボも、MKともなればここまで変貌を遂げてしまうのである。


虫の息の敵に止めを刺す、無慈悲なフィニッシュ「FATALITY」。
1キャラクタにつきFATALITY2種類+ステージFATALITY+BABALITYが用意されている




XRAYアクションの為に体内まで丁寧に作られた、拘りのモデリングに感服。
即死級のショッキングな演出であるが、この程度のダメージでは戦士たちの闘志を消すには至らないのだ




▼充実のオフライン
 といっても、某FPSのことではなく本作の話。
 今回のMortal Kombatもサービス精神旺盛であり、オフのみでも十分に満喫出来るボリュームを誇るのだ。

 「Armageddon」の凄惨な結末からタイムリープを果たしたライデンが、因果律崩壊を試みる壮大なストーリーモード。
 懐かしき「TEST YOUR MIGHT」をはじめとしたミニゲーム仕立てのステージや、
 条件付バトルのステージを次々とクリアしていくチャレンジタワー。
 そしてお馴染み、各モードで稼いだKombat Koinを消費して、隠し要素や設定画等をアンロックしていくクリプト。

 これらの膨大なコンテンツを楽しむうちにお気に入りキャラクタが見つかり、操作も十分こなれてくる筈。 
 そうしたら、次はトレーニングモードが待ち受けている。
 必要な機能は揃っているので、心ゆくまでコンボ研究することが出来るであろう。

 む、FATALITYも練習したいと申すか。
 モータリアンたる者、甘えは許されぬ!実戦にて身に付けよ!……と言いたいところであるが、安心するがよい。
 本作にはFATALITYを思うさま練習することが出来る、まさかのFATALITYトレーナーが搭載されているのだ!*3
 そうである、至れり尽くせりなのである。

 そうして腕を磨いたならば、実力のほどを試す場が欲しくなることであろう。
 その時は迷うことはない……オンラインに繰り出し、世界中のモータリアンと闘うのだ!
 本場のモータリアンとの死合は酷いラグに悩まされるであろうが、細かいことは気にするでない。



チャレンジタワーの内容は、この動画を見れば一目瞭然であろう。
タワーのみならず、フルボイスでエンディングまでシームレスに楽しめる豪華なストーリーモードも素晴らしい完成度



▼シリーズファン垂涎の様々な要素
 結末へと一直線であった物語を、ライデンのタイムリープという手法を用いて舞台を初期へと戻した本作には、
 当時の作品を楽しんでいたモータリアンならば懐かしさ爆発の、心憎い要素が多数盛り込まれている。

 例えば、テク忍として活躍するサイラックスやセクターのオルタネートコスチュームが改造前の人間仕様であったり、
 逆に改造を施されたサイバーサブ・ゼロという驚愕の新キャラクタを加えたり。*4
 極めつけは、画面下部に唐突に登場するTOASTYおじさん(通称トッシーおじさん)の復活であろう!
 このおじさん、素晴らしいことに演出として単に蘇っただけではなく、
 メーターブーストの切っ掛けになるという特別な効果つきなのである(通称TOASTYブースト)。

 いやはや演出や雰囲気を復活させるだけでは飽き足らず、システムに組み込んでしまうとは。
 そうである、奴らはいつでも全力であり本気なのである。

 最後に、隠しコスチュームに関する情報をひとつ君に伝えておこう。
 全300ステージを誇る上、難易度曲線は容赦なく右肩上がりな為、完全制覇は困難を極めるであろうチャレンジタワー。
 だが、見事最終ステージをクリアすることが出来たならば、なんとその褒賞として
 ミリーナのフレッシュピットコスチュームが選択可能となるのだ!

 どのようなコスチュームかはここでは書かぬが、健全な男子ならば入手せざるを得ないデザイン、とだけ言っておこう。
 君、気になっても画像検索などするでないぞ。

 


*1 GBAにて発売されたトーナメントエディションで実装されていたが、本格的な実装は今回が初
*2
 BABALITYとは、相手を赤子状態にしてしまう恐ろしいフィニッシュ
*3
 STAGE FATALITYとBABALITYはトレーニング出来ない
*4 サイラックスとセクターの人間仕様では、なんと一部の技モーションまで変更される



というわけで、中途半端ながら思うがままに吐き出してみたが、如何だったであろうか。
新作に歓喜するあまり、ネガティヴな部分のない提灯記事となってしまったものの、そこは目を瞑っていただきたい。



もはや疑いの余地は無かろう……最新作「Mortal Kombat」は、モータリアンマストバイのシリーズ最高傑作である!
NetherRealm wins...Flawless Victory!