おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

WWE2K14 峠に霞みて 無常の墨絵

紅き大和の声ぞ聞く……
プロレスラーながら、出家しているかのような慈悲深き瞳。
無常を伝える苦々しいその表情。

今回は、前作でも作成したあの念仏坊主の2K14版を紹介させていただこう。
64レイヤー全てを使い切ったその姿や、如何に。


カスタムロゴ作成の手間を鑑み、復刻を躊躇していた新崎人生にようやく着手。
'13モデルよりもディテールアップできる様、改良できる点を彼是探しつつの作成となった。
特に念入りに調整したのは、この絶妙な表情。
怒りや悲しみを超越した、悟りを開いたかのような慈悲深い面持ちをなんとか再現できぬかと試行錯誤を繰り返し、
なんとかそれっぽい表情を作り出せた……ような、作り出せてないような




後頭部は'13モデルと同様に、特徴的な頭蓋の境目をカスタムロゴにて再現。
遠目に見ても人生と分かる様、後姿にも力を入れるのだ




'13モデルと決定的に違う点は、足袋の滑り止め部分を再現したことである。
この足袋型シューズは単色でしかカラーリングできぬ為、
まず全体を滑り止めカラーにて着色し、その上から白のデザインにてカバーしてあるのだ




2着目は、頭髪及び髭を全て剃毛し禊を済ませた姿を再現。
ボディを正面から見た際に特に重要な、人生の特徴的なニップルは、'13モデル同様カスタムロゴにて再現した




珍しくエルボーパッドを着用したこの姿は、足首骨折より復帰した際の試合をイメージしたもの。
後頭部のカスタムロゴは、色味を調節しての使い回しである




入場コスチュームは以前作成したものからそう変化はないが、さらなるディテールアップを目指して作成した。
入場時のみ帯の端と足袋の滑り止めを削除しているのは、レイヤー不足を解消する為の苦肉の策である




略式の袈裟は、レイヤー数の都合上首の裏側まで再現できなかったが、
札ばさみの刻印に関しては128×128サイズながらできる限り細かく再現。
金剛杖を携えての入場ができぬのが残念ではあるものの、まずまず満足のいく仕上がりとなった




さて、ここからはムーヴの解説とさせていただこう。
足首骨折からの復帰時、蹴り技をあまり使えぬという状況から生まれたのが、この叩きつけ式の袈裟切り。
チョップともパンチともつかぬその打撃は、形容するならばハンマーが適切か。

この技は骨折からの復帰戦辺りで唐突に繰り出されたものながら、何故か付け焼刃と思わせることもなく、
むしろ使い込まれているかのような技の重みを感じさせた。
私の目には、足の完全復調した後も使い続けて欲しいと思うほどに魅力的に映った技であった




人生の代名詞と言える技のひとつ、地獄突き。
打撃合戦に用いる他、ソバットから繰り出しダウンを奪うこともある、用途の広い使い勝手のよい技だ




比較的軽量のレスラーを2度3度とコーナーへ強振し、パワーの差を思い知らせる。
最後はグロッギーとなった相手をボディスラムで仰向けダウン状態にし……




締め括りに繰り出すのは、コーナーから高高度で放つリバーススプラッシュ。
相手が強敵である場合や、説き伏せる必要のある場合は、この体勢からフットスタンプを見舞うこともあるのだ。

余談であるが、今更ながらハヤブサの足袋にも上記の手法をフィードバックし、いい具合に改良成功。
何故これをハヤブサ作成時に思いつかなかったのか!




得意とするストマックへの集中攻撃は、さながら相手に苦行を与えるかの如し。
画像は、いつかのハヤブサとのタッグ時にも使用していた、スワンダイブ式のボディへのニードロップ。
モーションも美しくアピール度も高い技であるが、あろうことかこの技にはSEを付け忘れられているのであった。
もう!




リバーススプラッシュから流れる様に決めることもあれば、
攻め込まれた際の反撃に使用することもある得意技「拝み渡り」。
場内に歓声が湧くのに加え、いつでも使えるように……
との思惑により、大胆にフィニッシャーのひとつとして装備してあるのだ。

WWEシリーズではアンダーテイカーのオールドスクールしか収録されていない為、再現としては中途半端だが、
腕を捻り上げてトップロープへと登るその姿を拝めるだけでも善し……と、割り切るしかあるまい




もうひとつのフィニッシャーは、CAFにて作成した念仏パワーボムを採用。
シグネチャーにはこれまたCAF製の拝みダイビングヘッドバットを装備しており、
いいタイミングで繰り出せたならばピンも奪える技として絶賛使用中である。

その他CAF候補として雪崩式喉輪落としも作成はしたものの、使う場面が難しく使用を断念。
ただ、未使用のままお蔵入りも勿体無いので、シングルマッチ用人生にこっそり装備しておくのもいいかもしれぬ




人生最大級のフィニッシャー「高野落とし」の未遂ムーヴとして、カナディアンバックブリーカーを用意。
仕掛けた後すぐに解除することにより、持ち上げたが決まらず……といった場面を演出することができるのだ




独特のフォームで放たれるダイビングショルダーは、今回もダイビングラリアットで代用。
あのオーバーアクションな受け身を再現するには、通常のダイビングショルダーでは物足りないのだ。

この技も、試しにCAFにて拝み風モーションを加えたものを作成してはみたものの、
デフォルトのものと比較しヒット確率があまりに低かった為、ほどなくお蔵入りとなった




中盤に使用したいグラウンド技、ショルダークロー。
間を持たせる為に使う技ではなく、ギブアップを奪う勢いで仕掛けるのが特徴だ。
さらに効果的に使うならば、ショルダークローはそこそこに解除し、
間髪入れず正面から鬼気迫る表情で頚動脈を締め上げてやるのだ




試合終盤の到来を告げる喉輪落としには、チョークスラム8を採用。
喉元を捉えた後少し間があるのが、この技を選択した理由である。
喉輪落としに限らず、人生の技は仕掛ける際に独特の間を取るものが多いので、
その点を踏まえての技のチョイスが、人生っぽさを出す上で重要となるのだ




不利な流れを一撃で変えることのできる技「輪廻」。
現在の輪廻のモーションを思えばトラブルインパラダイス2の方がしっくりくるかもしれぬが、
かわされるリスクを伴ってこその輪廻……ということで、今回もバックフリップキックにて代用することにした。
輪廻はかわされるのもまた美しい技なのである




人生の六道の攻めを耐え抜き、なお食い下がる相手に満を持して繰り出される技「高野落とし」。
標高1,000mから真っ逆さまに落とされた相手は、3カウントを聞き成仏するより他に道はないのだ



細部まで抜かりなく観察し、入念に器を作成する。
使用技をただ放り込むのではなく、吟味に吟味を重ねてムーヴセットを組む。
「このレスラーならこの場面でこう動くだろう」という、どんなイレギュラーにも対応できる臨機応変さを身につける。

私の標榜し目指すは、レスラーの魂を宿して戦う、いわば「潮来プロレス」。
プロレスシムを超えた高みに到達できる日は、はたしてくるのか否か……



今回はこれにておしまい。
次回更新にて、また会おう。