おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

断崖式レトロゲー談義 第十三回 - 張りぼての王国

Xbox 360で発売された新作プロレスゲーが、PS2に移植!
当時まだ360を所持していなかった私にとって、その報は実にありがたいものであった。

そうして待つこと数ヶ月。
満を持して発売された移植作であったが、その出来映えはまさかの……ふがっ



今回のお題はPS2版レッスルキングダム。
本作はXbox 360版からの移植に際し、当時のプロレス事情によるレスラーの入れ替えが行われている。
例えば藤田の削除、レスナーとバーナードの追加等々




一部微妙な再現度のレスラーもいるものの、そのモデリングはハッキリいってPS2プロレスゲー最高峰。
見よ、この鋭い眼光を!




メインメニューでは右側に収録レスラーがランダムで表示される。
ただ、この画面ではどう見てもモデルが横に伸びており、しっくりこないことこの上なし。
ファイプロZ然り、PS2への移植ではこの辺り調整し難い問題でもあったのであろうか




さて、プロレス界をドラマチックに再現できるという謳い文句のドラマモードをちょこっとプレイしてみよう。
まずはバックボーンの選択か……なるほど、恐らくはここでベースとなるムーヴが決まるのだな




む、なんだこの設問は。
レスラーの性格に反映されるのかもしれぬが、一体どの程度関係してくるのであろう




謎の質問攻勢を終えた後は師匠の選択。
ここはなんとなく麺ジャラスKをチョイスしてみよう




キムケンの壮大なるプロレス譚が、今、はじまる






フリーながら全日本に上がり続けている川田の付け人となったキムケン。
エディット周りさえまともならば、そこそこ楽しめそうなモードではあるが……




レーニングをこなしパラメータを伸ばしていく。
この辺り、どこか王者の魂の五冠王の軌跡を髣髴とさせる






入門2週目で早くもデビュー戦決定。
気になる対戦相手は同期である藤本善信とのことであるが、一体何者なのか




リングにて対峙した相手は、どことなく見知ったような気がする坊主頭の男であった。
まずは手四つからの力比べで様子を窺うキムケン。

さてこのチェーンレスリングのシステムは、レッスルキングダムにおける数少ないよい部分のひとつ。
相手が応じた場合にのみ発生するというのも見事なモンである




開始4分待たずに火を噴いたフジモトアームバーの前に、キムケンタップ寸前。

ちなみにキムケンのこの姿は、バックボーンに相撲を選択した場合のデフォルトモデルである。
せっかくなので少しはキムケンに似せようかとも考えはしたものの、
どう弄っても似そうにない上頻繁な読み込みによるストレスが酷く、あえなく断念したのであった




というわけで、次はエディットについて触れてみよう。
レッスルキングダムのエディットで特筆すべきは、
サイズや装着位置を自由に設定できる立体パーツ "SPアクセサリ"。
イデア次第では面白いものが作れそうなポテンシャルを感じさせてくれる




細かく設定できるように見えるが、その実どう足掻けど似ても似つかぬ残念仕様。
志半ばに力尽きたキムケンの残骸が、その全てを物語る




稲妻レッグラリアートはモーションも見事に再現されているだけに、余計口惜しい。
ただ、ここまでやっておきながらトライアングルスコーピオンは収録されていないのであった。

余談であるが、この技プレビュー画面は常時処理落ちという恐ろしい状態。
PS2への最適化がうまくいかなかったのであろうか




通常の脇固め以外に高速脇固め!イヤッホゥ!
だのにいぶし銀はおらず、もう一人の使い手は藤本となり憤死……




美技 "魔神風車固め" も収録されているぞ。
この技が収録されていて何が嬉しいかと言えば、
マシンが作れる!というのは当然ながら、ハヤブサにも使えるということであろう。

……む、ハーフハッチスープレックス
テメーコノヤロー、それでは岩石落としドロップ的な表記ではないか。
上の方にあるリーバースアームサルトも気になるのう




バディ・オースチンの必殺技ドリル・ア・ホール・パイルドライバーも収録されている。
殺人パイルドライバーとは物騒なネーミングであるが、実際このタイツ掴み式はかなり危険な技なのだ。
あのピンク野郎がリング禍を起こさぬ様祈っておこう




殺人バックドロップは、受け手の首が真横に90°ひん曲がるデンジャラスなモーションで再現されている。
残念ながらホールド版は収録されていないが、ドクターボムもあるのでウイリアムスを作ることはできそうだ。
ただ、このエディットモードでは満足のいくものは到底作れないであろう




急ぎ収録されたのか、強グラップル技の最下部にブルーでデスティニーな技が。
このアクシズは角度を付けすぎた殺人バックドロップとしてドクに使えそうだが、以下省略




実際にプレイされる方へのアドバイスは、ずばりコレ。
打撃もグラップルも連打でリバーサル可能なので、2択に読み勝てば簡単に返すことができるぞ





今をときめくマッチョドラゴンと、PS2版ならではのブロック・レスナーの一騎打ちを観戦。
Yuke's製プロレスゲーに高度なAIを求めちゃいかんとはいえ、こりゃあ大惨事だぞオイ……。
おまけに珍しくレスラーに声が付いていると思えば、誰を使っても使い回しの「ダー!」に「おりゃー!」。
せめて雅央がいてくれれば様になったものを





せっかくなので再戦してみたが、ご覧のありさま。
まぁアレだ、本シリーズはプレイヤー自身がプレイしてこそ……であろう。 ふがっ




ベースとなるシステムはバープロに似通っているものの、何故か熱の伝わってこない残念な仕上がり。
チェーンレスリングや気合システムといった見所もあるにはあるが、
全体の作りとしては粗すぎる……というのが正直な感想か。
何より、プレイ時間の半分近くを占めるんじゃなかろうかというほどに長いローディングは苦痛の極み。
もうそれだけで本作を起動したくなくなること請け合いである。

レスラーのモデリングは素晴らしいのであるが……うーむ。




今回はこれにておしまい。
次回更新にて、また会おう。