おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

断崖式レトロゲー談義 第十五回 - 重箱の隅をつつく WK2 後編

さて今回は、プレイすればするほど粗の見えてくるレッスルキングダム2の悪しき点を、容赦なくアレしてみよう。
ふと気づけば殊の外長い記事になってしまったので、暇を見て読み流していただければ幸いである。

はたして君は、本作を許容することができるか。





まずは前回記事の修正。
チャンピオンシップは思っていたよりもしっかりとしたメインと言えるモードであった。
いやはや、あやふやな記憶を頼りに適当なことを書いてしまいスマナンダ




全10戦を勝ち抜けばベルト戴冠。
序盤数試合は奇抜なエディットレスラーを相手に腕ならしだ




合間合間のインタビューシーンは、そのレスラーっぽい台詞をうまくアレンジしてテキストに起こされている。
いやしかしこの四代目タイガーの神妙な表情……たまらんのう




世界ジュニアのシナリオならば、スーパーJカップトーナメントを経てタイトルマッチという流れを楽しむことができる。
Jカップ優勝時とベルト奪取時には大きなボーナスポイントがもらえるぞ




む、この決め台詞をこの時期のハヤブサに言わせちゃあいかんだろう。
何やら不穏な空気……




どうにも怪しげな気配を察知した本ブログスタッフは、本作のハヤブサの調査に踏み切った。

まずは技セットから確認、正面強グラップル技はこのような感じ。
ちなみにこの変形タイガードライバーというのは、くどめドライバーであった。
なかなかよいチョイスではないか……と認め掛けた矢先、フィニッシュ技及び封印技にあり得ない技を確認。
なんと、まだ胸にタトゥーを入れていないH以前のハヤブサだというに、
フィニッシュのひとつにHサンダー、封印技にHエッジがあてがわれていたのである。

見た目は旧全日参戦時代のイメージながら、中身はHを経てのハヤブサとはこれ如何に




マニアックな目で見れば、ファルコンアローひとつ取っても違和感を感じる。
ハヤブサはこのように手をついたりはしない筈……一体誰のモーションを参考にしたのであろう




フィニッシュ技のひとつHサンダーは、まさかのクラッチ間違い。
これではエメラルドフロウジョンである




Hエッジもクラッチを間違っており、まさかのロックボトム状態。
まてまてまて、まさかどのレスラーもこの調子なのでは……




エディット専用技として用意されている仁王(無双)は、Hエッジとほぼ同型。
嗚呼、デフォルトレスラーの技セットを弄ることができたならば……




フィニッシュ技のひとつである垂直落下式ファルコンアローは、文句なしの見事なモーション。
決して悪い部分ばかりではないのだ




フェニックススプラッシュも、きっちり右手側に捻るところまで完璧。
左手側に回転する選手が多いだけに、ここはこだわりの再現と言えよう




と思ったら、名が違うだけでタイガートルネードプレスも全く同じモーションやないか。
まぁ佐山タイガーのラウンディングボディプレスも右手側に捻るので、
もし繰り出していたならばこうなっていただろうと納得もできる。

だがしかし、ライガーのスターダストプレスにまでこのモーションが使い回されているのは
どう足掻いても擁護不可能!
似てるからというだけで公式がそれをやってはいかん、いかんぞ!




気になったので佐山タイガーの技をチェックしてみたところ、
フィニッシュ技のひとつに "初代タイガードライバー" を発見。
あぁ、タイガーネックチャンスリーだな……と試してみると、そこにはまさかのツームストンを繰り出す佐山の姿が!

いや、待てよ……ひょっとしたら私が知らぬだけで、
ツームストンタイガードライバーと呼称されたことがあったのかもしれぬ。
何方か詳しい者はおらぬか




どの技のモーションも、実際よりも少々派手に味付けされている感あり。
たしかにあの日、小橋の首は派手に真横にひん曲がったが、少なくとも右腕で受け身を取っていた筈。
これでは本当にドクターデスになってしまうぞオイ




さて、次なる不満点はレスラー一人あたりの技数である。
今回は川田を例に挙げてみよう。

まずは正面つかみ技。
技表からは見切れているが、ニュートラルを含めて全5つである。
これは前作の弱グラップルにあたるが、本作では直接技が繰り出される形に仕様変更されている



強グラップル技も5つ……この時点でお気づきであろう。
そうである、この川田は垂直落下式は使えるが、通常のブレーンバスターは使えないのである。
もし川田の通常のブレーンバスターを見たいならば、相手の仕掛けたブレーンバスターを気合で返すしかない




強グラップルからは打撃技も5つ用意されている……が、
そのほとんどは弱グラップルか通常打撃で繰り出せるものばかり。
この技数で試合を組み立てるのは至難の業!




せっかく用意されている片ひざ/しりもちも、そのステータス専用に装備できるのは打撃のみ。
せっかくならばダウン状態と片ひざ/しりもち状態で掴み技も変化すればよかったのだが




さて次は、CPUのロジックに関する不満点。
ハヤブサだから場外に飛べばいいだろう……そんな声が今にも聞こえてきそうなロジック具合の様子は、
動画にてご覧いただくとしよう




何度も録り直し、酷いものをチョイス……なぞという意地の悪いことをしたわけではない。
毎回こうなのだ。
問題はロジックのみならず、飛び技にも疑問が残る。
君は、ハヤブサがサスケスペシャル2号とスワンダイブ式シューティングスターアタックを
繰り出している姿を見たことがあるか




ロジックは関係ないが、どうしても見ていただきたく思い入場シーンの動画もアップロード。

法被が綺麗だとか開脚リングインが再現されているだとか、
コールが試合中のものの使い回しだとか、そんなことはどうでもよい。
聴きたまえ、この入場曲を!

原曲の収録されていないレスラーは、原曲に模した偽曲が用意されているのが本作の常であるが、
この曲はまず間違いなく "Silver Resistance" の偽曲。
そうである、こともあろうにHの入場曲を使ってやがるのである。

お前コレなんだ、何がやりたいんだ!テメーコラァ!




フィニッシュモードへ移行する際に挿入されるカットイン。
酷く痛々しいこの演出中は、試合の流れも止まってしまう為、完全に白けてしまうこと請け合いである。
オプションで表示オフにすることもできないこのカットインは、おまけにアスペクト比率まで狂っているのであった




最後に、エディットに関する不満点。
「せっかく数多の技が用意されているというに、フィニッシュ技としてしか設定できない技がある」
これはプロレスゲームにありがちなので、そこまで不満ではない。
問題は、フィニッシュ専用技の選定が謎な点なのである。

例えばコーナー強グラップルでは、
雪崩式ブレーンバスターといった基本的な技がフィニッシュとしてしか使えないのだ




ダイブ技も同様に残念な状態であり、なんとムーンサルトプレスすら通常技には設定できない。
ハイフライフローこそフィニッシュ限定にすべきじゃあないのかオイ




うーむ、毒を吐きすぎた。
最後くらいはよい点を挙げて気分よく終わるとしよう。




エディットモードにおけるフィニッシュ技と封印技は、全てリネームすることが可能だ。
例えばただの重量級ドロップキックも、リネームひとつでレアな大技へと変貌!
フィニッシャー発動時は画面に技名が流れるので、この機能は実に有意義である




反則攻撃がここまで揃っているのは、数あるプロレスゲーの中でもレッスルキングダム2のみ。
エディットレスラーの幅を(主にヒール方面に)広げてくれるぞ




タッグマッチや4WAYは勿論、特殊なルールも用意されている。
このロストポイント制の他に異種格闘技戦ルールもあるので、工夫次第では様々なリングの情景を楽しめそうだ




細かいミスは多々ありつつも、技モーション自体は丁寧に作られている。
例えばコーナーでのベイダーハンマーは、
相手がしりもちダウン状態にもかかわらず空振りを続けるところまで再現されているのだ




コーナーへの登り方も複数種類あり。
背面登りがあるのは嬉しいが、飛び技により変化するのではなくレスラー固定という仕様なので、
ベイダーの場合ダイビングボディプレスを繰り出す際でも背面に登ってしまうというデメリットも




猪木から臨死の笑みを引き出した伝説の投げっ放しジャーマンは、封印技として用意されていた。
あの名シーンをもう一度……!





今回の記事、如何だったであろうか。

レッスルキングダム2はこの記事を以って終わりにする予定であったが、
せっかくなので近い内にエディット編も書き流してみるとしよう。
ではその時まで、御機嫌よう。


今回はこれにておしまい。
次回更新にて、また会おう。