おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

COM戦ロジック観察 Vol.4

 暇潰し的な企画も第4回目。今回もHUMANの作品で。
「スーパーファイヤープロレスリング スペシャル」

 ファイプロ1年ぶりの復活!

 ラスト作品といわれたファイナルバウトから約1年……特別版としてあのファイプロがファンの前にカムバックを果たしました。レスラー数は前作からさらに増加・流行に合わせたオクタゴンリング及びKO概念の追加・新システム導入など、特別編にして非常に意欲的な作品となってます。

似顔絵から全身像に変更  しかし試合中のキャラは小さい……  ロジック部分も前作から進化を遂げている本作、どこまでリアルに近づけるか……試合開始前から興奮気味でありますっ!

 ではゴーングッ!


 氷川のボディスラムではじまったこの試合、起き上がった富樫はいきなりパワーボムを狙う。しかし、氷川は身を翻してラカンラナで逆に丸め込む。これはカウント入らず、両者距離を置いた。

 氷川はミドルキック、富樫はキックで互いをけん制。一瞬の隙をみた富樫、氷川をハンマースロー。しかしカウンターキックを出すのが早すぎ、氷川と激突。再度試みるも、同じ結果だった。
 その攻めは諦めたのか、富樫はチョップで攻勢に出ようとする。首筋への逆袈裟斬りチョップから得意のローリング袈裟斬り……しかし氷川はこれをガード、逆にエルボーでダウンを奪った。

 開始1分経過。両者とも投げ技を狙うが、返し技を食らってしまう。なかなか決め手とならない中、富樫のドロップキックが氷川の胸板をハードヒット!流れは富樫へと傾くかと思われたが、氷川も負けてはいない。ボディスラムを連発した後、富樫をハンマースロー。カウンターでドロップキックを放つが、タイミングが悪く自爆。
 これを好機と見た富樫、氷川をハンマースロー、自らも走り得意のダイビングショルダー!しかし氷川はこれをしゃがんでかわし、前転キャメルクラッチを仕掛ける。白熱の攻防は続く。

 2分経過。富樫はヘッドロックとスリーパーホールドでスタミナを奪いにかかる。執拗な絞め攻撃に、氷川の動きが止められていく。こう着状態が続き、4分を回ろうかというときに、氷川の旋回式バックドロップで富樫が場外転落!追った氷川は容赦なく攻める。場外の固いマット上にブレーンバスター、旋回式バックドロップを見舞い、富樫の頭上に星が回り始めた。
 ようやく戦いはリングに戻ったものの、氷川のボディスラムで富樫は再度転落。氷川はトップロープに素早く駆け登った。コーナートップから場外へ向けて、ダイビングエルボードロップ敢行!しかし飛距離が足りず、エプロンの角でわき腹を痛打、転落!その間に富樫はリングに生還。

 流れは変わるかと思われたが、氷川ペースは変わらなかった。ニュートラルコーナー付近に富樫をダウンさせ、トップロープへ登った。しかし、すぐに降りてしまう。この挙動不審な動作を繰り返す氷川。先ほどの自爆がトラウマになってしまったのか?

 開始6分、ついに氷川のタイガードライバーが火を噴いた!しかしカウントは2。すぐさまフライングメイヤーで富樫を倒し、フェイスロックに移行。富樫の顔面が歪む……これをこらえきることは出来なかった。富樫、無念のギブアップ。


氷川光秀○ (6分12秒 フェイスロック) ●富樫慶次



 前作までと比較して、飛躍的にプロレスらしくなっててビックリ。アニメパターンもかなり増加し、動きに躍動感が感じられました。返し技も豊富で、打撃コンボの最後をガードして反撃する、などの細かい攻防まで楽しめるようになっており、非常に見応えがありました。

 ただ、ハンマースロー後の打撃が苦手なようで、結局両者とも1度もヒットさせることはありませんでした。コーナーからのダイビングも、まだイマイチです。

 最後は脅威の威力を誇る絞め技フェイスロックで決まりましたが、当時の三沢の必殺技であった以上、この威力設定は仕方ないでしょう。それ以上に、CPUがこの技をフィニッシュに温存したってことが肝心ですね。これぞプロレス!



 スペシャルと銘打たれた本作。集大成として最高の進化を見せつけてくれたのですが、ファンとしてはどうしてもそれ以上のものを求めてしまいます。そして登場した新作は、なんと絵を全て新たに描き起こした、まさに完全新作だったのです。