COM戦ロジック観察 Vol.5
炎を焼き尽くすバーニング
打倒ファイプロを目指してたかどうかは定かじゃないんですが、人気独占中のファイプロに真っ向勝負を挑んだソフトがありました。ファイプロにない要素をふんだんに取り入れた意欲的な作品だったのですが、いかんせん技術が追いついてない状態でして、やりたいことは解るんだけど…でもファイプロと比べるとなぁ…って感じの出来でした。
しかし特筆すべき点は多く、6人タッグ・禁止技指定・関節技をかけられたらロープに向かってずるずるとエスケープ・様々な団体に合わせたルールに変更可(K-1等のラウンド制も導入)などなど、今のファイプロでも再現出来ていないシステムまで盛り込んであったんですよね。
勿論エディット機能も搭載されている今回のソフトは……
「激闘バーニング・プロレス」
この絵がなぁ…… システム回りで当時のファイプロを超えていたであろうバーニング・プロレス、そのロジック具合はどんなもんでしょうか?期待と不安が交錯しつつ……ゴング!(CPUレベル8(1〜16))
青コーナー「斗橋健太郎」赤コーナー「三津沢龍輝」。スポットライトを浴びた後、両者はリング中央で早くも激突。まず仕掛けたのは斗橋。トラースキックを見舞い、続けざまにラリアット!さらにスリーパーでスタミナを奪いにかかる。三津沢もなんとか反撃に出ようとするが、序盤は斗橋がペースを握った。
開始45秒…反撃のままならない三津沢に対し、斗橋は容赦なくパワージャック!しかしカウントは入らず。その後2度フォールの体勢に入るが、いずれもノーカウント。
1分半経過。三津沢がようやく反撃開始。強烈な膝蹴りが斗橋を襲う。さすがの斗橋もこれにはたまらずダウン。すかさずフロッグスプラッシュを浴びせるが、斗橋はこれをノーカウントで返した。
三津沢は休むことなく単発のエルボーでペースを奪っていこうとするが、その矢先に斗橋のローリング袈裟斬りチョップが炸裂、無念のダウン。ここで斗橋は一気にムーンサルトプレス敢行!しかしノーカウント!
斗橋は三津沢を休ませることなく畳み掛ける。パワージャック、ランニングエルボードロップ、そして今日2度目の月面水爆!さすがの三津沢もこれを返す余力は残っておらず、そのままカウント3を聞いた。
三津沢龍輝● (2分26秒 ムーンサルトプレス) ○斗橋健太郎
システムはスゴイことになってるんですが、観戦には向いてないようです……。一方的に叩き潰すガチファイト。三津沢が思わず膝を出したのも、そんな斗橋を止めたかったからかもしれません。
上の汚い写真(手撮りです……)を見てもらうと判るように、バーニング・プロレスはファイプロのひし形リング視点(クォータービュー)ではなく、オーソドックスなリングサイド視点を採用しています。こうやって改めて観戦してみると、ファイプロが考案したあの視点は、すべてが立体的に見えるんですよね。平面ではなく。
モーションも丁寧だし効果音も悪くない、でもファイプロを超えることは……出来ませんでした。これに懲りずに続編出してくれたら面白かったんですけどね。