おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

記憶を呼び覚ます。

 7・18…ノア東京ドーム。今日ようやくインターネット・ノアにて配信された動画を、食い入るように観戦した。どの試合も見劣りせぬ名勝負が目白押し。

 そんな全10試合の中でひと際感動し、涙が零れてしまった試合がある。その試合は懐かしさを感じさせつつ、感情が目に見えてほとばしる人間ドラマでもあった。  5年間の空白は一瞬で埋まった。三沢と川田、2人が対峙しただけでわだかまりも何もかも吹き飛んだ気がした。互いの技を遠慮なくぶつけ合い、共に険しい顔で咆哮する。
 危険な投げをスパイスに、激しい打撃戦。顎と頬骨が砕けそうな三沢の振り抜きエルボー、躊躇なく顔面に叩き込む川田の顔面蹴り。いつかみた技の攻防が、私の記憶を呼び覚ます。

 全日時代と違ったのは、アピールをする川田と少し太めになった三沢の体。いつかのタイガードライバー’91以上に危険な角度で突き刺した、川田の垂直落下式パワーボム。持ち上げきれず低空になってしまった三沢の’91。2人の今の体力差はなんとなく分かった様な気がしたが、この試合に関してはそんな理屈は入り込む余地がなかった。
 感情のぶつかり合い。旧全日時代から見てきた私の心には、刺激が強すぎるほどの激しい試合だった。出来ればもう1戦2戦…何戦でも見たい。

 試合内容では小橋vs健介がベストバウトと感じたが、内容を超越する2人だけの空間は、ベストバウトを超えた感動があった。ありがとう、プロレス。