おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

COM戦ロジック観察 Vol.6

 SFCでの最終作……X。

 スペシャルで終わることを許されなかったファイプロスタッフは、進化しつつも前作を凌駕するには至らない作品を産み出しました。大きく見映えの良くなったレスラー……しかし技数減少。

 前作までは再現されていなかった、プロレス的なムーブを貪欲に取り入れた新生ファイプロ…そのロジック具合が気になるところです。

 今回使用するソフトは……

「スーパーファイヤープロレスリングX」


再びバストアップに変更された  全面的に描き直されたグラフィック。コスチュームも4種類の中から選択できるようになりました。ロジックにも俄然期待がかかります。


 ゴーング!(CPUレベル4(1〜8))

 ゆっくりとリング中央でロックアップした両者、力比べだ。すぐにロックを切り、富樫が氷川のボディにキック。先に仕掛けたのは富樫だった。互いに小技でけん制する両者。ボディスラム、フライングメイヤーといった技で相手の様子を覗う。

 開始34秒、富樫のDDTが決まった。すかさずスリーパーホールドへ移行。技が解け、起き上がった氷川を再びボディスラムでダウンさせ、さらにスリーパー。スタミナを奪いにかかる。富樫ペースは崩れることなく、1分半になろうかという早い時間帯でパワーボム爆発。しかし氷川はこれをノーカウントで返した。

 2分経過。富樫の放った長滞空ブレーンバスターで、氷川は場外転落。後を追う富樫。しかし場外で待っていたのは氷川のエルボー。ダウンした富樫を引き起こし、旋回式バックドロップを場外マットの上にお見舞いした。そして戦いはリング上へ。

 リング上に上がった両者、流れは氷川かと思われたが、富樫はパワージャック敢行!しかしこれはニアロープ。同時に立ち上がった両者、激しい主導権争いだ。技が交錯する中、氷川の延髄踵落としがヒット。うつ伏せにダウンする富樫。すぐさまトップロープに登り、ダイビングボディプレスを繰り出したが、富樫は冷静にこれをかわした。自爆してしまった氷川を捉えた富樫、ブレーンバスターの体勢からそのままボムへ移行!オレンジクラッシュが炸裂した。しかしこれもロープ間近、ブレイクとなった。

 3分経過。息を吹き返した氷川、エルボーで攻勢へと転じる。執拗なエルボーで富樫を場外に叩き落し、起き上がるタイミングを見計らってダイブ。プランチャを命中させた。序盤とは一転し、氷川ペース。リング上で再びエルボーを連射、そして3分半……ついにタイガードライバーが火を噴いた。3カウントは奪えないものの、起き上がった富樫にローリングエルボー!またもや場外に転落だ。
 氷川は場外でふらふらの富樫に今日2度目のプランチャをヒットさせ、覆いかぶさりカバーの体勢。しかしそこは場外、カウントは入らない。序盤の富樫の激しい攻めで、意識が朦朧としているのかもしれない。

 そして両者はリング上。組み付いた瞬間、今日3度目のパワージャックを繰り出した富樫。そのままカウントは止まることなく、あっけない3カウント。氷川にそれを返す力はもはや残っていなかったのだ。

氷川光秀●(4分7秒 ジャックナイフ・パワーボム)○富樫慶次



 展開は悪くないですし、プランチャやハンマースローからの攻撃も確実に当てれるようになりました。なにより絵が大きくなって細かい動作まで描き込まれたので、迫力が出ましたね。レスラーが生き生きとしてます。
 場外でのフォールは今も尚修正されていない箇所ですので、この点に関しては仕方ないでしょう。

展開が早くハイスパートな試合になってしまいましたが、前作からの進化はしっかりと感じ取ることが出来ました。そしてファイプロは、次回作で更なる進化を遂げるのです。