輝かしい未来が今……

　平凡な日常、退屈な毎日。行き所の無いストレスを溜め込む人々…そんな架空の１９９９年。ストレス解消をテレビに求めた人々は、際限の無いバイオレンスを求めるようになった。そしてそれに呼応するかのように、テレビ局は最高の番組を提供しはじめたのだ。

　勝ち抜けばとてつもない額の賞金を手にすることが出来る反面、「敗北＝死」というスリリングな番組群は、血を渇望する視聴者の心を鷲掴み、視聴率トップを独占。

　そんな並み居る人気バイオレンス番組の中、一際人気の高いタフで強力な番組があったのだ……


「SMASH T.V.」(SUPER FAMICOM) 　凄惨な死を望む視聴者。しかし賞金を手にする為……輝かしい未来を手に入れる為、君はやらなきゃいけない！そこに待ち受けるのはヒューマノイド・ロボット・モンスター。気を抜けば即お陀仏だ！

　１９９２年……突然アスキー社がローカライズし、めでたく国内で発売された本作。実はアーケード版も存在し、結構な人気があった（んだと思う……）。アーケード版と比較して残虐度は下がってはいるものの、あの直感だけでプレイ出来る爽快感抜群なゲーム性は、全く損なわれていない。逆にアーケードよりもミュートイドマン（上半身ミュータントで下半身は戦車！）などのボスのサイズが大きく迫力のあるものになっていたりして、改善点も多少見られるのがファンには嬉しいところだ。

　操作は至って簡単。十字キーで番組挑戦者であるプレイヤーを操作し、コントローラ右に配置されているボタンが、そのままの方向への攻撃となっている。斜めに撃ちたいときは、隣り合ったボタンを２コ同時押しだ。何気ない操作系に見えるかもしれないが、銃身固定操作など一切不要な、シンプルでストレートな操作性を実現させた、実に理にかなったキー配置なのだ！

　

　番組がはじまると、挑戦者はスタート部屋へと誘われる。血で血を洗う激しい闘いの幕開けだ。上下左右４つの通路からミュータントがわらわらと挑戦者に襲い掛かる。たまに出現するパワーアップアイテムを回収しつつ、やつらを肉片に変えてやれ！全滅させることが出来たら次の部屋だ。

　様々なパワーアップアイテムがあるが、どれもタイム制限ありなので余裕はない。うかうかしてるとやつらにミンチにされてしまう！直感的な射撃と戦略的な倒し方で、うまく安全地帯を確保しながら闘うのがクリアの秘訣だ。


　ゲーム中に余裕の表情で両手に花の司会者が現れることがある。こいつはムカツクぜ！頑張って最終ステージまで進めることが出来たら、このムカツキを思うさまぶつける事が出来る。そう、説明書にも記載されているが、最後のボスは司会者なのだ！

　
　ぷちぷちと撃ち殺すのが気持ちいい、非常に完成されたシステムのアクションシューティング。ガントレットなどの、大量の敵を薙ぎ倒すゲーム性が好きなタフゲーマーには一段とオススメだ。しかも協力プレイまで可能というオマケ付き！

　……だがしかし、協力プレイで快適に勝ち進めどグランドチャンピオンになれるのは一人だけ！最後まで気を抜くな！信じるものは己のみ……。

　闘え、タフガイ！