おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

スプリンターセル プレイ比較

 先月購入した「スプリンターセル 二重スパイ」が、どうにもしっくりこない。

 初代XBOXで発売された「スプリンターセル カオスセオリー」の方が面白いのでは?
 しかし、それは思い出が美化されているのかもしれない。
 いや、やはりカオスセオリーの方が……

 当時私はカオスセオリーの北米版を購入した。
 それを今プレイしてやり較べればいいのだが、実は既に手元に無いのだ。
 手放すんじゃなかった……と今更ながら。

 ならば再度購入すればいいじゃないか。
 幸い国内版も発売されたことだし。
 という安易な考えを妨げたのは、プレミア価格という壁だった。

 ……出荷数少なかったのね。  ところがこういうときに限ってツイてるもので、運良く国内版を入手出来たのだ!
 というわけで、早速新作と比較してみることにした。



 止め絵で見た場合、当然二重スパイの方が美しい。
 人物からオブジェに至るまで、非常に細かく丁寧に描き込まれている。
 最近ディスプレイを換えたお陰で、より一層そのグラフィックの凄まじさに触れることが出来た。

 ただ、動かし始めると途端に違和感が。
 なんていうか、主人公サムの動きがおかしいのだ。
 モーション間を補完する繋ぎモーションが少ないのか、カクカクする場面が多いのである。
 絵に容量を裂きすぎた副作用か、フレームレートが極端に落ちる場面も。

 対するカオスセオリーは、初代XBOXという括りで見ればトップクラス。
 しかし360作品との比較となると、さすがに分が悪い。
 とはいえ、手抜きの無い統一された絵は見事だ。

 モーションは二重スパイと比較して非常にスムーズ。
 操作性に変なクセもなく、自由に操れるので気持ちがいい。



 さて、二重スパイで私が一番しっくりこないのはゲーム性だ。

 まず気になるのがカメラアングル。
 両作品ともRスティックで自由に視点を動かせるのだが……
 二重スパイは画面に対してサムを大きく表示しすぎ!
 もう少し引きのアングルにしてもらわないと、周囲の状況を確認し辛い。
 バイオ4のようにそれが狙いだというのなら、ただ私の好みと合っていないだけだろうけど。
 ただ、バイオ4の画面構成には必然性があり、非常に完成度が高かった。

 次に、二重スパイにおけるステルスメーターとノイズメーターの撤廃。
 ……この優秀なメーターを何故撤廃してしまったのだろう?
 オン・オフ出来るようにする程度でよかったのではないか。

 この2つのメーターのお陰で、カオスセオリーは状況を把握しやすかった。
 よりサム・フィッシャーと一体感を得ることが出来ていたのだ。

 これ以上足音を立てたら見付かる!
 この明るさではマズイ!

 そういった状況を視認出来る、非常に優れたアイデアだったのに。

 これらのメーターが無い為、二重スパイではトライ&エラーで感覚を体得せねばならない。
 この暗闇なら大丈夫、と思いきや見付かったり、どの程度の足音を立てていいものか躊躇したり。
 それに付け加え、敵の感度がカオスセオリーよりも敏感になっているようなのだ。

 リアル指向になったのだ、と言えば聞こえはいいが、私の場合プレイし辛いだけに感じてしまった。
 そしてストレスが蓄積されていく。



 次にレベルデザインについて。
 まだ最後までプレイしてないのだが、二重スパイはどうにも一本道すぎる気がする。
 一見広く見えて、しかし正解ルートはひとつしかないといった感じ。
 付け加えてマップは見難い、目的は分かり辛い。

 カオスセオリーも一本道ではあるが、それは非常に幅の広い一本道なのだ。

 演出に関しては、二重スパイは映画、カオスセオリーはドキュメントと例えれるだろうか。
 二重スパイはストーリー展開を含め、あまりにも主人公が主人公すぎるのだ。



 あくまで個人的な感性で言わせてもらうと、カオスセオリーに軍配が上がる。
 今からプレイする方がいるとするなら、品薄だけどなんとかカオスセオリーをプレイしてみて欲しい。

 勿論二重スパイの方が面白い、という方もいるかもしれないけど……ね。



 トム・クランシーシリーズは、ゴーストリコンも私の求めない方向性へと進み始めている。
 ゴーストリコンもまた、ドキュメントタッチから映画的な演出に移行し始めたのだ。

 私がついていけてないだけなのだろうか。
 同じように感じてる方、いませんか?