おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

DEAD SPACE 3: AWAKENED インプレッション

先日配信された、ファン待望のDEAD SPACE 3キャンペーン拡張DLC「AWAKENED」。
今回は、このDLCのインプレッションでも軽く書き流してみよう。

本編の恐怖感欠如は補完されるのか否か!

注意: 続きにはDEAD SPACE 3本編及びAWAKENDに関するネタバレが含まれているため、
    プレイ予定のある方は閲覧に注意せよ!
DEAD SPACE 3 エンディング
 アイザックとカーヴァーは無事ムーンを破壊。
 仕舞いには宇宙空間へと放り出されるという、壮絶な結末を迎える。
 待機していたエリーはマーカーシグナルの消滅を確認。
 アイザックとカーヴァーの死を悟り、地球へと帰還するのであった。

 本編エンドロール直後に聞こえてくるのは、暗転した画面の中アイザックのエリーを呼ぶ通信音声。
 生死すら判別できないあやふやなラストシーンが、DEAD SPACE 3のラストを飾っていたのであるが……


 *壮絶なネタバレのため、白文字にて伏せ。
  ネタバレも辞さぬという方は反転させて閲覧せよ


▼まさかの展開、エンディングその後
 幻覚の中に目覚めるアイザックとカーヴァー。
 2人は互いに生きていることを確認しあい、最後のサバイバルが幕を開ける。
 ムーンを撃破し、マーカーシグナルは消滅したはずなのに、アイザックの前に再び姿を現すネクロモーフ。
 そうである、なんと別のムーンが既に目覚めていたのである!


 大まかに書くとこのような展開なのであるが、残念ながら蛇足感が非常に強く、
 せっかく綺麗に締め括られた本編が、一気に安っぽくされてしまったとすら感じてしまう内容であった。
 操作性等ゲームとしての出来は本編そのままに滑らかでなんの問題もないのであるが、
 ストーリーや「最恐」の謳い文句に期待すると、私のように酷く落胆してしまうことであろう。
 

チャプターセレクト画面では、完全に本編の続きとして追加される。
ご覧のとおり、AWAKENEDは全3チャプターで構成されている


▼舞台はタウ・ヴォランティスとテラ・ノヴァ
 使い回しが悪だとは言い切らぬが、ここまで潔く使い回されると新鮮味はまったくなし。
 もしや本編から切り取っての有料DLC配信なのでは……と疑ってしまうほどである。

 演出的には、ムーンの引き起こす幻覚による異世界との遭遇という、
 どこかサイレントヒルを思わせる新たな仕掛けが盛り込まれてはいるが
 (ユニトロジストリーダーに三角頭の影を見た)、
 残念ながら「恐怖」には繋がらず、ひたすらに面倒に感じるだけであった。

 ただ、これは私(とアイザック)がDEAD SPACEに慣れすぎてしまったというのも大きいかもしれぬ。


まずは本編タウ・ヴォランティスでも度々挿入されていたヒルクライムパート。
正直このパートは面白味がない



テラ・ノヴァ内にはDEAD SPACE 1・2を思わせる蝋燭が。
雰囲気は原点回帰を試みている風に見えるが、じっとりとした恐怖感が帰ってくることはない


▼みどころ
 本ブログ的AWAKENEDのみどころは、
 奇跡の再登場をはたすノートンと、ニヤリとできるエンディング演出の2点。

 特に、本編で射殺したはずのノートンとの再会は良い意味でのサプライズ。
 あの憎たらしい男を二度も殺すことができるなんて!


ネクロモーフとなりコンニチハ。
まさか序盤のこのシーンが本DLC最大の見せ場だとは……。
ほかにも、2に登場した敵が再登場を果たしたりと、一応AWAKENEDならではの要素もいくつか


▼総括
 本編のゲーム性が気に入っているのならば、恐らくはAWAKENEDも気に入るはず。
 だが、私のように、本編の微妙さを払拭してくれるのでは……
 と期待してプレイすると、ガッカリすること請け合いである。

 使い回しが多い上、クリアまでに一時間強というあまりに短いプレイ時間。
 800MSPという価格はどうにも割高に感じてしまう内容であったので、
 コアなDEAD SPACEファンでないかぎりは手を出さぬのが無難かもしれぬ。

 なにより、AWAKENEDをプレイせぬほうがエンディングの余韻に浸れるのだ。
 いやはや……いやはや。


テラ・ノヴァ内でユニトロジストに祀り上げられたネクロモーフ。
主人公がもはや超人と化してしまったアイザックでなければ、もう少し楽しめたのではなかろうか



最後に、IGNによるビデオレビューを。


IGNはまずまずの高評価だが、Metacriticにおいては現時点で49/100という残念なスコアをマーク。
とはいえ、楽しめるかどうかは君次第……他人のレビューなぞ、所詮他人のレビューなのだ。
せっかくならば買って後悔しようではないか