おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

断崖式レトロゲー談義 第四回 - ポリゴンプロレス革命前夜

時は1996年。
HUMANから独立した吉田氏率いるザ・マンブリーズの処女作が、強豪犇くプロレスゲー戦線へと投下された。
それが、同年に発売されたポリゴンファイプロへの挑戦状であったかどうかは知る由もないが、
ある意味では師弟対決ないし同門対決といえる、危険な香り漂うカードであったことは間違いないだろう。

そんな火花飛び散るリングの脇に、ひっそりと闘魂烈伝2の姿も見え隠れしていたが、おめえはそれでいいや。



オープニングに登場する謎の鋼鉄男。
賢明な諸兄姉ならば、この顔を見ただけでピンときたことであろう




そうである、バーチャルプロレスリングである。
デベロッパはザ・マンブリーズ。
なんとも聞き慣れぬ社名であるが、後にアキと社名を変え、
現在はシンソフィアと名乗る会社だといえば、ご存知の方も多いのではなかろうか




モード選択画面はご覧のとおり。
様々なモードが用意されてはいるものの、残念ながらタッグマッチは未実装なのであった




ポリゴンプロレス黎明期の一作ながら、視点切り替えのオンオフまで可能。
WWE2K15(360版)とはなんだったのか




登場レスラーは、ライバルとなるポリゴンファイプロを遥かに凌駕する人数を収録。
似せすぎて少々麺ジャラスな香りのする似顔絵ばかりの中、
マスクマンと某大巨人のみ、大人の事情を垣間見せてくれるのであった。
209cm135kg……その正体や、如何に




骨法をベースとした打撃を得意とする謎のマスクマン、超新星スターガイア。
正体はやはだ山田か?




ゲームシステムは至ってシンプルで、打撃にはガード、掴みにはスウェーで対処するのが基本となっている。
打撃と掴みには長押し動作もあるので、対人戦ならば地味に熱い駆け引きが楽しめるぞ。
その他特殊動作として用意されている打撃キャッチも、いい隠し味として機能しているのだ




御大のムーヴセットはなかなかのチョイスで構築されている。
中には、現在のプロレスゲームでは滅多にお目にかかれないレッグスプレッドまで!




精神力がMAXになれば、特殊な必殺技を繰り出すことが可能。
例えば御大ならばジャイアントスイングだ。

この必殺技は、名作と名高いバーチャルプロレス2の御大にも引き継がれている。
きっとこの開発チームならではのこだわりがあるのだろう




スミス・リーアムズのリフトアップスラム。
胸部がビシャモンのように口を開けているが、鬼首捻りができるわけではない




ダイビング技も完備。
リーアムズの得意技ダイビングショルダーアタックが、エルボーの聖戦士三河雅治を襲う!





さてここで、本作の試合の様子を動画にてご覧いただこう。
今回は珍しくCPU戦ではなく、本ブログスタッフの手によるスーパープレイ!


白熱の好試合……になる筈が、敗北の許されぬ隠し要素アンロック戦であった為、
思わずシュートを仕掛けてしまった本ブログスタッフ。
番場さんの呆れ顔が、ふと目に浮かぶ




観衆騒然の一方的な殺人オペを敢行し、無事モンスター・ブル・ドッグを獲得!
隠しレスラーはこのブルだけでなく、それぞれの団体に一人ずつ用意されているぞ




ざっと読み返してみるとなんだか傑作のように思えてくるが、
当時ならばいざ知らず、今の時代に通用するものでは決してないので、どうか早まらぬ様。
まぁアレだ、傑作バーチャルプロレス2の原型として触る分には楽しめるであろう。多分。

余談ながら、対するアイアンスラム '96もまた、栄光のファイプロの歴史に糞をぶっ掛けてしまう大惨事。
結局リング脇にいた闘魂烈伝2が一番まともだった……
とオチをつけたところで、本日のレトロゲー談義はお開きとさせていただこう。



今回はこれにておしまい。
次回更新にて、また会おう。