おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

断崖式レトロゲー談義 第十回 - よっしゃ担ぐのか否か

「基本である1・2・3をやらず、いきなり4・5から入ろうとしている」
本ブログスタッフの目にはそう映ったデビュー作から1年、早くも奴がリングへと帰ってきた。
さて何のお話なのか、察しのよい君ならばもうお気づきであろう。
そうである、本日のお題は "オールスタープロレスリング II" である。

操作体系の改善、さらに磨かれたグラフィック、そして大量に追加されたレスラーたち。
前情報ではいいこと尽くめに見えた本作であるが、はたしてその出来映えはどうだったのであろうか。



夢のカードを販促に最大活用し、プロレスファンの目を惹きつけることには成功した本作。
はたして前作の汚名返上となるのか否か




プロレスリング・ノア及びZERO-1が加わり、
ようやく以ってオールスターと呼んで差し支えない選手ラインナップに。

さて君、この画像になんとも言えぬ違和感を感じないか。
そうである、本シリーズのレスラーの並び順は "格" によるものではなく、
単に50音順となっているのである(最上段4人を除く)。
妙な摩擦を恐れての仕様なのかもしれぬが、そこまで楽しんでのプロレスじゃあないのかオイ!




僅か1年で見違えるほどの進化を遂げた、グラフィック及び操作感。
だがしかし、至近距離で間合いを計ろうと思えば即敵に背を向けてしまう等、
見た目に不自然ないくつかの点は改善されていないのであった。

さて、技関連の感触についても少々触れておこう。
1作目ではテンション依存で繰り出せる技が変わるという窮屈な仕様であったが、
本作では試合開始直後からテンションハイ技まで自由に繰り出すことが可能となった。

これにより、試合の組み立ての自由度は大幅に増したものの、
序盤からハイスパートすぎる展開になってしまうことも多々あり、これはこれで残念な感じに。
とはいえ、プロレス者同士で遊ぶならば、この仕様変更は喜ばしいものであろう




ノア参戦に辺り、なぜかオールスターの仲間入りをはたした井上雅央
泉田や菊地、志賀を差し置いての収録に少々疑問が残るものの、ある意味では嬉しい選出である。

さてこちらの画像は、雅央のアピール2。
このアピールひとつとっても 「よっしゃ担ぐぞー!」 「よっしゃ担ぐぞオラーっ!」
の2通りの音声が用意されている辺り、その作りは見事なモンではあるものの、
そもそもよっしゃ担ぐぞのポーズ自体に違和感が……




本作の隠しレスラーは前作の大批判を反省してか、なかなかどうしてそう悪くはないチョイスとなっている。
例えば、セコンドに猪木をつけてプレイすれば、何故か白覆面がセコンドとして使用可能となる等、
その出現方法にも一工夫施してあるのだ。

反面、前作で大好評であった入場シーン及び入場曲が、本作では全削除されてしまうという大惨事。
あの贅沢極まるオープニングムービーで予算を使い切ってしまったか……




隠しレスラーは白覆面を含めて全6人+レフェリー1人。
内1人の出現方法は、永田でIWGPを奪取するというのが条件となっている。
む、後方にはお馴染みのポーズで佇む荒鷲




永田さんIWGP奪取により姿を現したのは、なんと山崎一夫であった。
うーむ、何故に山ちゃんが隠し扱いなのかが理解できぬ




チュートリアルとなるライジングモードでは、斉藤のぞみなる方がフルボイスでナビゲートしてくれる。
なんだってこう、スクウェア製プロレスゲーは毎度斜め上を走るのか




操作を順に覚えていける親切設計。
この姿勢は他のプロレスゲーも倣ってほしいモンだ




ライジングモードは収録されている実在選手で挑めるわけではなく、
スクウェア謹製のオリジナルレスラー2体のいずれかでプレイする形となっている。

こちらはアマレス出身の熱血漢、陣内憲一郎。
ライジングモードを卒業し、無事プロのリングに立つことはできるのか




もう一人は、フルコンタクト空手をベースとするシュートスタイルのレスラー有里優作。

陣内と有里にはスクウェアオリジナルの技も盛り込まれており、個性付けとしてはまずまず。
ただ、せっかくならばチュートリアルで終わるのではなく、
ファイプロスペシャルの純須杜夫の如く、実在レスラーたちと戦うストーリーが見てみたかったところだ




さて隠しレスラー以外のアンロック要素はというと、前作に引き続いてのサイン収集に加え、
隠された技を習得するというものが追加されている。
例えば藤波ならば、ドラゴンフルネルソンを一定回数使用することによりドラゴンスープレックスが使えるように。
腰は大丈夫かマッチョドラゴン!




取得したラーニング技は、レスラーデータモードで確認することができる。

1選手につき4〜5つも隠し技が用意されているとは、ワクワクものだなぁオイ!
と、発売当時はその心を躍らせたラーニング技のアンロックであったが、
まさか全選手顔面ウォッシュと毒霧で2枠潰れることになるなんて、誰が想像したであろう……




その他プチ隠し要素として、コスチュームの変化するレスラーが数人用意されている。
ベイダーならばマスク着用、武藤ならば頭髪健在版といった塩梅だ。
ライガーには真っ赤なバイオアーマーも用意されているぞ




これほどまでに精巧な作りの雅央を楽しめるのは本シリーズのみ。
雅央ファンならばマストバイなタイトルであるといえよう!
おりゃー!




おまけ

本作のオープニングを飾ったドリームマッチを、CPUはどこまで魅せてくれるのか。
そう思いつつの観戦であったが、どうやら社長の虫の居所が相当に悪かったようだ





ようやくオールスターを冠するに相応しい面子が揃ってきたというに、
次回作では力道山、猪木、武藤といったスター選手が姿を消してしまうという大惨事。

そのデメリットをなんとか補うべく、IIIでは入場の復活に加え、とある新規モードが実装されていたが……
と、それはまた別の機会にて語らせていただこう。



今回はこれにておしまい。
次回更新にて、また会おう。