おにてん工房

大本営霧散につき已む無く転進

断崖式レトロゲー談義 第十六回 - 3度目の復帰戦

断崖式レトロゲー談義も、きりよく第十六回。
というわけで、今回は思い出の詰まったプロレスゲー "ファイプロ・リターンズ" を紹介させていただこう。



誰もが望んだ王者の復活。
眩しいスポットライトの下に、ファイプロが再び姿を現したのだ!




本作には、隠しレスラーのアンロックやエディットレスラーのポイント上限アップといった要素は一切なく、
プレイ直後から全てオープンな状態でクリエイトを満喫できる。
ただ、これはこれで少々味気ないのもまた事実で、
一部ファンからはヴィクトリーロードの削除に対し不満の声も出たとか出ないとか




いつもならば隠しレスラー扱いである筈のレジェンドたちも、ご覧のとおりはじめから使用可能。
総勢327名+エディット枠500を、君は消化しきることができるか




さてここからは、リターンズで加わった新要素を紹介。

まずなにより歓迎すべき要素は、スーパーファイプロ以来のサイズGの復活であろう。
そうである、これまで頭部の大きさで身長をごまかしてきた節のあるファイプロが、
ついに真なるジャイアントサイズを実現したのである!

また、身体の部位毎にサイズを細かく変更できる機能まで実装されており、
微妙な体格差まで表現することが可能となっているのだ




本作には漢字変換機能が用意されているので、従来作より数段快適にリネーム作業を行うことができる。
変換精度もなかなかのモンだ、ウン




様々な場面で使用できるショートカット機能。
右スティックを倒すだけの簡単操作は、慣れれば非常に快適だ




ロジックには優先動作項目が登場。
この技でだけピンを取りたい!この技からこのグラウンド技に繋げたい!という欲求に、ある程度応えてくれるぞ




新たに加わったプロフィール欄の花、備考欄。
これにより、本作はより一層 "動くプロレス名鑑" として楽しむことが可能となったのである




レフェリーだってエディットできるぞ。
設定項目も多数用意されているので、それっぽい仕上がりを目指すのだ




リングも細かくカスタマイズ可能。
自作ロゴを描いて貼り付けることもできるが、このペイントツールで描くにはかなりの根気を必要とするであろう




試合中のシームレスなカメラのズームも、ファイプロ・リターンズの見所のひとつ。
離れているときは引きのカメラであるが……




クロスレンジではここまでズームアップ!
これにはリコスチュームされた健悟もご満悦である




おぉっと、昔散々弄ったデータがメモリーカードに生き残っていたぞ。
今にしてみれば詰めの甘いエディットレスラーが多いが、ここから再開できるのはありがたいのう




描画がようやくファイプロDレベルに引き上げられ、8人タッグも迫力満点。
む、誰か足りぬと思ったら大熊を作り忘れておる




新たな会場もいくつか加わり、これまでは再現できなかったリングの情景を見ることができるように。
また、エディット枠が非常に多いので、普段なら候補から外れてしまうようなレスラーも作り放題である




と、エディット方面に特化した感のあるファイプロ・リターンズであるが、
ここからはシングル専用モード "マッチメイク" について書き流してみよう。

本モードにはシーズンプレイ(12ターン)とコンペティションプレイ(1ターン)が用意されているが、
私のお勧めはイベントの多数発生するシーズンプレイである




手持ちのポイントをうまくやりくりしてカードを組み、興行を成功させる……というのが、本モードの大まかな流れ。
会場や選手それぞれにFPが設定されているので、
限られた予算の中でどれだけ客を集め満足させることができるか、マッチメイカーとしての腕が試されるのだ




第1回興行は無事成功。
小さな箱で僅か4試合というミニ興行であったが、これで次回はもっといい会場を押さえることができそうだ。
なお、私のお勧めは、試合は全てCPU任せにするマッチメイカーなりきりプレイ。
思ったような試合内容にならずやきもきすることの、なんと楽しいことか




結果を残せば、他団体から借りられる選手が増えていく。
人気選手を招聘し、興行の目玉にしてやろう






ランダム発生のものから特定の組み合わせで起こるものまで、イベントは実に様々。
ただ、本モードにはエディットレスラーを参戦させることができないという、
あまりに大きすぎる欠点が存在するのであった。
この仕様のせいで、本モードの寿命はかなり短いと言わざるを得ない




ファイプロ・リターンズは、まず間違いなくエディットファンに向けたものであり、その仕上がりも抜群である。
だがしかし、エディットに興味のないプレイヤーにとっては、
「レスラー数だけは矢鱈多い、プレイし甲斐のないプロレスゲー」と映ってしまったのもまた事実であろう。
その点を補うべく作られたと思しきマッチメイクモードも、結局はクリア時のスコアを競う程度のものであり、
2〜3回もプレイすれば飽きがくる程度の薄い内容。

嗚呼、どうせならば超のつくほどに傑作であったファイナルファイプロの団体経営モード
"マネージメント・オブ・リング" をベースに作ってくれりゃあよかったのに。

あのモードで隠しレスラーをアンロックする仕様ならば、作業感もなく楽しんで遊べた筈。
そして、それすら面倒な方の為に、
ファイナルファイプロ同様隠しレスラーアンロックの裏技を仕込んでおけばよかったのだ……
と、こんな辺境の地で理想を呟いたところで、今さらどうなるわけでもなし。

ともあれ、Zに終わることなくリターンズを世に送り出してくれたことに対しては、感謝の言葉しかない。
だからこそ、あえて今あのキャッチフレーズを使わせていただこう。

ありがとうファイプロ、さようならファイプロ


え?XBLAで続編が出ている?

……イナヅマッ!



今回はこれにておしまい。
次回更新にて、また会おう。