断崖式レトロゲー談義 第十九回 - TAITOの爪跡
連打が勝敗を決する古典的なシステムを、いわゆるファイプロ方式に刷新し、
CD-ROMの大容量を活かし大胆に実況を導入した本作。
今や歴史の影に隠れてしまったこのプロレスゲーは、はたしてどんな内容だったのであろうか。
今回のお題は、チャンピオンレスラー 実況ライブ (PlayStation)。
梶原しげる氏の実況を売りにした本作の出来映えや、如何に
オプションはなかなかの充実っぷりで、メインである実況をオフにすることすら可能となっている。
COM Levelは14段階から選択できるが、ここまで刻む意味はあったのかオイ
モードはシンプルながら、必要最低限のものは揃っている。
対戦ではシングルマッチのほか、タッグマッチとバトルロイヤル(4人まで)を楽しむことができるぞ。
惜しむらくは、COM vs. COMの観戦モードが存在しないことか
登場レスラーはデフォルトで34人。
いずれもモデルとなるレスラーが思い浮かぶようなデザインとなっている。
ただ、カラーリングまではそのままにできなかったようで……
と思いきや、方向キー左右でカラー変更が可能なのであった。
レスラー1人につき16種ものカラーが用意されているが、中にはやはり麺ジャラスな配色のものが。
まぁ、16着も作れば偶然似てしまうこともあるよね
メジャー団体だけでなく、このような選手も。
ご覧のとおり、バストアップ画像はいずれも本来の姿からはズレたものとなっているが、
試合中の姿はモデルまんまという、すれすれの肖像権回避術を楽しむことができるぞ
さて、では試合中の画面を見ていくとしよう。
チャンピオンレスラーは元々連打で戦うものだったらしいのであるが(本ブログスタッフは未プレイ)、
続編である本作はタイミング勝負を導入し、プレイヤーにもコントローラにも優しい仕様となっている。
ファイプロと違うのは、ボタンを押すタイミングの瞬間。
前期ファイプロの膝カックンでも、後期ファイプロのグラップル直後でもなく、
このグラップル直前の瞬間が勝負の分かれ目となる。
コレ、ハッキリいってタイミングが取り辛くて仕方ない……のであるが、
この瞬間を技の始動としたことにより、技の繋がりがナチュラルかつスピーディになるというメリットも存在するのだ
ファイプロと比較すると総レスラー数が少なくエディット機能もないが、
技のチョイスとモーションは目を見張るものあり。
例えばハヤブサのファルコンアローは、大矢に決めた初公開時のモーションを彷彿とさせるもの。
これには唸ったが、何故かそのままカバーにはいかぬ大惨事……
うーむ、現在のWWEシリーズといいコレといい、何故にファルコンアローでピンを取らせないのであろう。
さて余談であるが、画面奥に見える実況席付近に注目。
そうである、本作にはなんとカメラマンが存在するのである!
プロレスゲーでカメラマンが描かれているのは、本作とファイプロの前身である“プロレス”くらいではなかろうか。
私、カメラマンを操作できるプロレス観戦ゲーが出てほしいと常々考えておりまして。
場外乱闘に巻き込まれ肝心のシーンで転倒……プフォフォ、最高ではないか
ハヤブサの飛び技にはムーンサルトとシューティングスター、
そしてこのフェニックススプラッシュが用意されている。
ファイアーバードスプラッシュが収録されていないのは残念だが、
いずれの飛び技も描画枚数が多く、滑らかで美しい仕上がりである
場外へのダイブ技も完備。
ただ、COM相手に当てるのは相当難しいぞ
他では見られない、本作ならではの技も多数存在する。
例えばこちら、サブゥーのアラビアンプレス。
この技は、なにも凶器を手にコーナーに登ったのではなく、発動すれば即座にイスが出現する素敵技なのだ。
2Dはこの辺りのデフォルメが効くのも強みではなかろうか
嬉しいことに、オーソドックスなレスラーにも多数の固有技が用意されている。
例えばチョシュのバックドロップは、ノーマルなものの使い回しではなく固有モーション。
実況もしっかりと「垂直落下式バックドロップー!」と叫んでくれるのだ
サソリ固めも、他のレスラーのものとは一味違う仕上がり。
ステップオーバーして固めるまでの仕草を事細かに描写しているのだ
リキラリアットのヒット感も見事で、現存するプロレスゲーの中では一ニを争うリキラリアットっぷり。
いやはや、どの技もプロレス愛に溢れているのう
同じラリアットでも、ウエスタンラリアットだとここまでモーションが変わる。
無慈悲な振り抜き具合がこの画像だけで見て取れるであろう
獣神原爆固めといったレアな技もちらほら。
こういった他のプロレスゲーではお目にかかれない技も多く、
レスラーそれぞれの固有技を見るだけでもなんだか楽しいぞ
勿論我らが殺人医師の殺人バックドロップもご覧のとおり。
欲を言えばもう少し角度が欲しかったが、それでもインパクトは抜群だ。
しかしアレだ、シューズまで細かく描き込んであるのう
ファイプロに先駆け、体固め前の技まで表示するリザルト画面。
こういった細かい点でも、ファイプロを超えてやろうという気概が感じられる
タイトル画面で ↑→↓←○○□□ と入力すれば、須藤玲司が使用可能に。
ただ、このレスラーは何故か無道(ムタ)に上書きされる為、両レスラーを同時に使用することはできないのだ
スタイナーブラザーズがいて馳がいる。
そして隠しコマンドで出現する武藤……んムフフ、つまりこのシーンを再現しろということであろう!
同様にタイトル画面で □□○○←↓→↑ と入力すると、
藤波モデルである藤岡竜選択時に別のレスラーが出現する。
この隠しレスラーは武藤と違いバストアップ画像も用意されておらず、
試合開始後にのみ登場する名前すらない謎のレスラー。
その技は固有のものが多く、画像のような自ら倒れ込んでのローキックやナックルアロー、
リバースインディアンデスロックにチョークスリーパーと、どこか覚えのある動きを楽しませてくれるのだ。
ちなみに、このコマンドを入力すると藤波は使用不可となる為、
2人のタッグを拝むことはできないのであった
デフォルト34人+隠しコマンド2人に加え、公式戦をクリアすればさらに6人のレスラーが使用可能となる。
その面子はタイガーにダイナマイトキッドからアンドレブロディと魅力たっぷりなのであるが、
COMのタイミングに付け入る隙がなく、現在ブロディ戦にて無念の停滞中。
もし君が必勝法をご存知ならば、本ブログにひとつ連絡を
では最後に、本作の試合の様子を動画にてご覧いただこう。
ファイプロにはないスピーディな攻防の数々を、君の目で確認せよ。
1戦目はスティーブ・ウイリアムス vs. 小橋健太。
本作ならではの細かい返し技に注目いただきたい
2戦目は天龍源一郎 vs. ハヤブサ。
収録レスラー総数は少ないながら、私好みの人選なのが嬉しいところだ
今回の断崖式レトロゲー談義、如何だったであろうか。
この大型連休に、もし君が暇を持て余しているならば、
ひとつ押入れからアレやコレを引っ張り出してみては如何か。
当時は「つまらぬ」の一言で積んでしまったゲームでも、
今の視点でプレイするとまた違った魅力が見えてくる……かもしれぬぞ。
今回はこれにておしまい。
次回更新にて、また会おう。
CD-ROMの大容量を活かし大胆に実況を導入した本作。
今や歴史の影に隠れてしまったこのプロレスゲーは、はたしてどんな内容だったのであろうか。
今回のお題は、チャンピオンレスラー 実況ライブ (PlayStation)。
梶原しげる氏の実況を売りにした本作の出来映えや、如何に
オプションはなかなかの充実っぷりで、メインである実況をオフにすることすら可能となっている。
COM Levelは14段階から選択できるが、ここまで刻む意味はあったのかオイ
モードはシンプルながら、必要最低限のものは揃っている。
対戦ではシングルマッチのほか、タッグマッチとバトルロイヤル(4人まで)を楽しむことができるぞ。
惜しむらくは、COM vs. COMの観戦モードが存在しないことか
登場レスラーはデフォルトで34人。
いずれもモデルとなるレスラーが思い浮かぶようなデザインとなっている。
ただ、カラーリングまではそのままにできなかったようで……
と思いきや、方向キー左右でカラー変更が可能なのであった。
レスラー1人につき16種ものカラーが用意されているが、中にはやはり麺ジャラスな配色のものが。
まぁ、16着も作れば偶然似てしまうこともあるよね
メジャー団体だけでなく、このような選手も。
ご覧のとおり、バストアップ画像はいずれも本来の姿からはズレたものとなっているが、
試合中の姿はモデルまんまという、すれすれの肖像権回避術を楽しむことができるぞ
さて、では試合中の画面を見ていくとしよう。
チャンピオンレスラーは元々連打で戦うものだったらしいのであるが(本ブログスタッフは未プレイ)、
続編である本作はタイミング勝負を導入し、プレイヤーにもコントローラにも優しい仕様となっている。
ファイプロと違うのは、ボタンを押すタイミングの瞬間。
前期ファイプロの膝カックンでも、後期ファイプロのグラップル直後でもなく、
このグラップル直前の瞬間が勝負の分かれ目となる。
コレ、ハッキリいってタイミングが取り辛くて仕方ない……のであるが、
この瞬間を技の始動としたことにより、技の繋がりがナチュラルかつスピーディになるというメリットも存在するのだ
ファイプロと比較すると総レスラー数が少なくエディット機能もないが、
技のチョイスとモーションは目を見張るものあり。
例えばハヤブサのファルコンアローは、大矢に決めた初公開時のモーションを彷彿とさせるもの。
これには唸ったが、何故かそのままカバーにはいかぬ大惨事……
うーむ、現在のWWEシリーズといいコレといい、何故にファルコンアローでピンを取らせないのであろう。
さて余談であるが、画面奥に見える実況席付近に注目。
そうである、本作にはなんとカメラマンが存在するのである!
プロレスゲーでカメラマンが描かれているのは、本作とファイプロの前身である“プロレス”くらいではなかろうか。
私、カメラマンを操作できるプロレス観戦ゲーが出てほしいと常々考えておりまして。
場外乱闘に巻き込まれ肝心のシーンで転倒……プフォフォ、最高ではないか
ハヤブサの飛び技にはムーンサルトとシューティングスター、
そしてこのフェニックススプラッシュが用意されている。
ファイアーバードスプラッシュが収録されていないのは残念だが、
いずれの飛び技も描画枚数が多く、滑らかで美しい仕上がりである
場外へのダイブ技も完備。
ただ、COM相手に当てるのは相当難しいぞ
他では見られない、本作ならではの技も多数存在する。
例えばこちら、サブゥーのアラビアンプレス。
この技は、なにも凶器を手にコーナーに登ったのではなく、発動すれば即座にイスが出現する素敵技なのだ。
2Dはこの辺りのデフォルメが効くのも強みではなかろうか
嬉しいことに、オーソドックスなレスラーにも多数の固有技が用意されている。
例えばチョシュのバックドロップは、ノーマルなものの使い回しではなく固有モーション。
実況もしっかりと「垂直落下式バックドロップー!」と叫んでくれるのだ
サソリ固めも、他のレスラーのものとは一味違う仕上がり。
ステップオーバーして固めるまでの仕草を事細かに描写しているのだ
リキラリアットのヒット感も見事で、現存するプロレスゲーの中では一ニを争うリキラリアットっぷり。
いやはや、どの技もプロレス愛に溢れているのう
同じラリアットでも、ウエスタンラリアットだとここまでモーションが変わる。
無慈悲な振り抜き具合がこの画像だけで見て取れるであろう
獣神原爆固めといったレアな技もちらほら。
こういった他のプロレスゲーではお目にかかれない技も多く、
レスラーそれぞれの固有技を見るだけでもなんだか楽しいぞ
勿論我らが殺人医師の殺人バックドロップもご覧のとおり。
欲を言えばもう少し角度が欲しかったが、それでもインパクトは抜群だ。
しかしアレだ、シューズまで細かく描き込んであるのう
ファイプロに先駆け、体固め前の技まで表示するリザルト画面。
こういった細かい点でも、ファイプロを超えてやろうという気概が感じられる
タイトル画面で ↑→↓←○○□□ と入力すれば、須藤玲司が使用可能に。
ただ、このレスラーは何故か無道(ムタ)に上書きされる為、両レスラーを同時に使用することはできないのだ
スタイナーブラザーズがいて馳がいる。
そして隠しコマンドで出現する武藤……んムフフ、つまりこのシーンを再現しろということであろう!
同様にタイトル画面で □□○○←↓→↑ と入力すると、
藤波モデルである藤岡竜選択時に別のレスラーが出現する。
この隠しレスラーは武藤と違いバストアップ画像も用意されておらず、
試合開始後にのみ登場する名前すらない謎のレスラー。
その技は固有のものが多く、画像のような自ら倒れ込んでのローキックやナックルアロー、
リバースインディアンデスロックにチョークスリーパーと、どこか覚えのある動きを楽しませてくれるのだ。
ちなみに、このコマンドを入力すると藤波は使用不可となる為、
2人のタッグを拝むことはできないのであった
デフォルト34人+隠しコマンド2人に加え、公式戦をクリアすればさらに6人のレスラーが使用可能となる。
その面子はタイガーにダイナマイトキッドからアンドレブロディと魅力たっぷりなのであるが、
COMのタイミングに付け入る隙がなく、現在ブロディ戦にて無念の停滞中。
もし君が必勝法をご存知ならば、本ブログにひとつ連絡を
では最後に、本作の試合の様子を動画にてご覧いただこう。
ファイプロにはないスピーディな攻防の数々を、君の目で確認せよ。
1戦目はスティーブ・ウイリアムス vs. 小橋健太。
本作ならではの細かい返し技に注目いただきたい
2戦目は天龍源一郎 vs. ハヤブサ。
収録レスラー総数は少ないながら、私好みの人選なのが嬉しいところだ
今回の断崖式レトロゲー談義、如何だったであろうか。
この大型連休に、もし君が暇を持て余しているならば、
ひとつ押入れからアレやコレを引っ張り出してみては如何か。
当時は「つまらぬ」の一言で積んでしまったゲームでも、
今の視点でプレイするとまた違った魅力が見えてくる……かもしれぬぞ。
今回はこれにておしまい。
次回更新にて、また会おう。